プログラムと住宅地経営

住宅地を計画しこれを実現してゆく際にフィジカルプランを描くことは、その計画作業の中心的部分ではあるにしても一部であるにすぎません。そのプランをどういう方法で実現してゆくのか、その筋道を示すものが必要であり、これがプログラムとよばれる作業です。同様に、計画の実現の可能性を財政的側面から確認するのが経営の問題です。この両者は、できあがる住宅地の最終的な空間には表現されませんが、それを支える重要な計画要素です。プログラムをたてるうえでは、次の諸点が重要です。計画および建設に必要な作業単位をあらい出し、その前後関係、所要時間、作業量等を検討して、バーチャートやネットワークに組むことにより、作業の組立およびその全体的な展望をつかむ。住宅地開発にあたっては、まず開発方式を決定することが必要です。開発方式には、土地の取得に関するもの、宅地の造成に関するもの、建設に関するもの、住宅供給に関するものなどが、それぞれ組み合わされていくつか存在します。そして、それぞれの開発方式は、空間計画や土地利用にかなりの制約を与える結果になることを知らなければなりません。

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間取り

地域の住宅需要、建設工事能力、資金的能力、公共施設の整備見通し等の要素を検討して、開発期間を決定します。住宅地の開発は、通常、宅地造成と住宅および建築的施設の建設の2段階に分かれますが、この時間的ずれをでぎるだけ短くするよう検討します。これは、先行投資による経済的ロスを最少にとどめるためです。
住宅の建設は、1住区を構成できる程度を同時に行なう単位とし、生活施設の建設を併わせて行なうよう考えます。特に新開発住宅地の場合、開発初期においては生活環境の整備がなされていないので、これを自足的に解決するためにも必要です。学校、病院、商店等の生活環境施設の建設を、その発生需要と関連させて、供給不足や過多を起こさせないように検討することがきわめて重要です。特に学校建設は、主体である地方自治体の財政に大きな影響をもつので、建設の段階計画が必要であり、そのためには住宅地の居住人口構成とその変化の推定を行なうことが必要です。
住宅地開発に関しては数多くの法制が存在し、何らかの形でそれらを開発に通用してゆくことが有効であるため、法制の選択、適用の計画をたてることが必要であり、計画の法定化のために必要な準備と手続についてのプログラムも検討されます。そして、コストに関する年次別プログラムもまた建設プログラムに並行して作成し、実現性の検討を行なわねばなりません。
住宅地経営については、以下に述べるような様々な角度からの検討が必要です。
建設総投資額、計画している住宅地を建設するのに必要な総投資を推定しておくことは、そのプロジェクトの規模を知るうえで必要です。この投費額は、通常、土地取得費、宅地造成費、関連公共施設整備費、住宅建設費、施設建設費等に分かれます。
開発水準の設定、住宅地の環境水準は必ずしも開発投資の大小だけでは決められませんが、人口当り投資額、面積当り投資額等は、水準を示すかなり重要な要素です。イギリスのニュータウンにおいては、直接投資1人当りのうち50%が住宅建設で、25%が宅地造成、公共施設、そして残りが25%といったところです。
負担区分、住宅地建設にともなう投資の種類はきわめて多岐にわたり事業主体も様々であって、投資をいくつかのルールにしたがって負担し合っています。特に公共施設投資に関する国、県、地方公共自治体および事業者の間の負担割合は、次の事業収支および地方財政に大きな影響を与えるので、十分な検討がされなければなりません。
資金計画、住宅地開発に必要な建設投資をまかなうためにどんなコストの資金を使うかおよびその可能性の検討などであり、計画の実現を基本的に保証し、処分価格や家賃に最も大きく影響を与えます。
事業収支、住宅地開発は、公的開発であれ民間開発であれ、当然、事業としての採算が合わなければ実現されません。収支バランスに大きな影響を与えるのは、資金コスト、先行投資の大きさ、投資と収入の時間的ずれなどがありますが、基本的には処分価格の限界ないし家賃限界です。
地方財政の検討、現在、計画的であると自然発生的であるとを問わずある地域が住宅地化してゆく場合、それらの所在する地方自治体はその住宅地に対する公共サービスの責任をほとんど全面的に負わねばならないので、住宅地化が急激に行なわれれば必然的に地方財政に大きな圧力を加える結果になります。したがって、住宅地開発が地方財政に与える影響を予測し、これに対する対策を検討することが必要になります。

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