公営住宅自治会の日常活動

集落自治会および商業自治会の活動が日常活動と固有活動に区分できるように、公営住宅自治会でも、日常活動と固有の住宅問題の活動に区分されます。日常活動のうち対外的で主要なものは、区、市役所および町村役場などから配布される行政上の各種の通知や行事などの周知活動、配布される衛生材料や薬品の分配、物資の共同購入などの斡旋、その他自治体と注民の間にあって両者の結合に役立つことを目的とするものなどですが、上意下達に重点がおかれることが多くなっています。内部的な日常活動としては、団地内の案内標識などの整備や防犯灯の設置および維持などがあり、簡易水道のあるところでは各世帯当りの料金のとりきめや収入、支出を行ない、また自治会によっては屎尿汲取代金や清帰料金の徴収まで行なうところもあります。公団住宅では共益費を公団などに支払うしくみになってますが、公営住宅では自治会が中心となって一切を処理します。このほか、親睦活動として、趣味、レクリエーション活動、婦人会、子供会などの専門部活動があり、それぞれ担当役員がその世話をします。また、祭礼、盆踊り、運動会などの臨時の大行事には全役員が協力します。このほか、いわゆる祝儀、不祝儀には一定の基準をきめて慶弔金、見舞金を支出しています。入居当初、3年から4年の間はどこでも親睦活動に重点がおかれますが随時、住宅運動などへも関心が寄せられるようになってきます。自治会には、それぞれ事業主体によって名づけられた住宅名のほかに、入居者によって会名がつけられていることが多く、美しいものや親しみやすい名前をつけている例が多いのをみても、親陸活動に重点がおかれる傾向を知ることができます。

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公営住宅自治会では、住宅運動が盛んなように思われますが、平時はあまり表面的な動きはありません。それが、修理間題とか家賃の値上げ問題とか分譲問題とか収入調査とかの大きい間題が生じたときに、にわかに活発化します。この点、公営住宅自治会は、農村の自治会に次いで連帯感がつよく、良い指導者にさえ恵まれればきわめて固い団結と思い切った行動を示すことがあります。また、一面ではやや排他性があって必要以上に自主的行動を強調するため、地域における一般自治会との連絡、提携などの点で必要な行動がときに十分でない傾向もみられます。
住宅問題に対する意識については、公営住宅自治会の連絡、連合組織に加盟あるいは提携している団地では、公営住宅の使用関係や主要な問題点がよく理解されていて認識度も高くなっています。
入居者の意識に関する調査によると、建替え賛成とした者の50名の中には、正当な補償があれば応じるがそうでなければ反対というものが60%あり、補償の有無にかかわらず賛成するというものは約40%です。また、居住権という項目について、意味のわからなかったものあるいはどう同答してよいかわからなかったものが約40%ありましたが、これはやむをえません。この40%が、住宅運動意識のバロメーターです。入居者が最も希望するのは分譲であって、全体の87.35%を占め、割増金は取るべきでないと答えたもの73.55%がこれについでいました。建替え反対は52.75%でしたが、案件つき賛成としたものがほかに約13%ありました。全般的に公営住宅独自の問題について入居者はよく認識しており、それをみずからの手で解決しようという姿勢が居住権はある、または居住権を守るという51.2%の回答となってあらわれています。
この調査とは角度が違いますが、大阪府堺市にある日本住宅公団団地の意識調査の結果によれば、2、3年内に引越したいが31.2%、将来は引越したいが44.5%で、団地に永住するつもりというのは22%しかなかったようです。公団住宅から出たいという人たちの理由は、将来自分の家を持ちたいということでしょうが、このへんに現在の住宅環境にあまり満足していないことがうかがえます。この点、公営住宅の入居者は、自分の家を持ちたいという願望を分譲という形で表現しており、永住希望が強いのです。
全般的な傾向は全調査の内容とほぽ同様で、公営住宅の入居者意識に関する二つの調査結果からは顕著な考え方の相違はないことがわかります。分譲を希望する点では、むしろ新しい居住者の方が強くなっています。住宅難が現在ほど深刻でない頃は、入居後2年から3年のうちは公団の場合ほどではないにしても早く引越して自分の家を建てたいという希望がありますが、最近はそれも不可能となったため分譲希望という形に変わってきたものと思われます。居住権という言葉の意味がよく理解されないにしても、明渡しはしたくないという考え方がハッキリ出ています。このほか、半数以上の居住者が住宅または事業主体の管理方針に対して何らかの不満をもっており、不満なしあるいはわおむね満足していると答えたものは232名中6名にすぎませんでした。不満の主要なものは、建物の構造が祖雑なこと、狭いこと、修理をしないこと、管理人に関すること、事業主体の管理が恩恵的で思いやりのないこと、割増金や分譲その他の制度に集中しています。

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