住宅団地の管理

住宅団地の管理については、それぞれの事業主体がそれぞれの組織形態を有して実施しており、それらのどの形態が一番合理的であるかは、住宅管理の質、目的その他の理由からして一概にはきめられないことです。ここでは日本住宅公団の採用している管理機構とその変遷を詳述することにします。住宅公団における組織は、それを住宅管理に限って見ると、大きくわけて、住宅経営のためのもの、現地管理のためのものに分類することができます。住宅公団の組織のうち、本所の管理部および支所の管理部の機能の大部分は、ほとんど住宅経営機能をつかさどっているということがいえます。これに対し、以下述べるところの営業所等の組織は、その機能の大部分が直接住宅団地に密着し団地居住者に接触していわゆる住宅管理を実施している現地管理組織です。ここでのテーマである居住地管理という語は、熟した用語ではなく、定義づけはなされていないため、その意図するところは不明確ですが、仮に直接居住者に関連する団地における居住者に密着した団地管理と理解すれば、前述の現地管理組織は必ずしも目的と著しく反しはしないはずです。ただ、あらかじめ考えておかなければならないのは、住宅管理とか団地管理という具合に簡単に用語を使っていますが、集団住宅団地における管理の範囲、程度、種類等については現在ほとんど明確にされていないということです。現実の状態を例にとっても、住宅公団と住宅供給公社と公営住宅とでは、それぞれの管理内容も程度も全く異なり、住宅公団だけを例にとっても、極端にいえば団地ごとにその管理の範囲と程度が異なるといえないこともないからです。

スポンサード リンク
間取り

団地出現以前の従来の1家主対1店子の単純な形式を前提に定められている民法や借家法だけでは解釈しにくい現象も出てくるし、それらのためやむをえずつくられた賃貸借契約条項などもみられます。そのような素朴な賃貸借関係における賃貸人と賃借人の場合でも住宅管理は当然存在したであろうし、現在の大都市の各所で見られるアパートやマンションという名の集合住宅においてもやはり住宅管理ということは存在しています。しかし、団地という集団住宅においては、このような素朴な民法や借家法でいう賃貸人の権利義務の発現としての住宅管理だけでは十分ではなく、集合住宅であるがゆえのやむをえざる管理内容が家主に要求されています。
住宅公団における現地管理組織は、おおむね3段階の変化がみられました。そして、この3段階の変化は、住宅公団の管理のあり方の変化に対応したものとして意味のある変化です。その意味では、現行の組織も、将来の管理のあり方の変化によっては当然に変化するということを示しているといえます。初期の段階における現地管理機構は、すこぶる単純でした。単純な組織であった主な理由は、初期の段階では団地数も戸数も少なく、支所が直接管理にタッチできる程度の時代であったからです。この専任管理人は、その時代の住宅管理のあり方を反映して、社会的にも年齢的にも十分に円熟した人をもってこれにあてるという考え方であったため、その人々の前歴を調べてみると、軍の将官、司政長官、満洲国高官、学校長、官庁の局長、警察署長、会社重役等々、まことに多士済々ということでした。
この初期の段階における管理のあり方を、住宅公団内部では積極管理時代と呼んでいます。この呼称は必ずしも的確ないい方ではありませんが、わかりやすくいうと、団地における諸問題はすべて住宅公団の管理業務として処理してみようという考え方であって、現在ふりかえってみると、はなはだ勇猛ではありましたが、すこぶる現実性を欠いた考え方であったといわざるをえません。団地における諸問題のすべてということは、例をとっていえば、住宅の住まい方、各サークルの組織の仕方、家庭内における日曜大工に属するような小修理、工作、電気、ガス、水道の申込み、停電、断水の際の処理、便器の婦除の仕方や使用紙の種類の指導等に至るまで、要するに団地における居住者の生活全般について、ある程度は実施責任者として、またある場合には指導者としての役割を果たそうとしたのです。しかし、このような管理の姿勢は、間もなく戸数や団地数の増加に伴い、経済的にも人員的にも実施困難となったのは当然です。

間取り
住宅地計画と社会的課題/ コミュニティの分離と異質化/ 物理的都市化とコミュニティ/ 住宅地計画と人口構成/ 公共機関による住宅地計画/ 住宅地計画と定着性/ 居住環境/ 上下水道/ 公害/ 住宅地計画と実情/ 住宅地の形態/ 田園都市をめぐる思想/ 近隣住区理論による宅地計画/ 住宅地の空間構成と土地利用/ サーキュレーション/ 住宅の配置計画/ 生活環境施設の配置/ 生活環境施設の住宅他構成手法/ 景観の構成/ プログラムと住宅地経営/ 地域自治会と団地自治会/ 公営住宅自治会の日常活動/ 住宅団地の管理/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサード リンク

プライバシーポリシー