宅造技術と住宅生産技術

在来工法によるものや、工業的方法によるものであっても。また高層、低層を問わず、例外を除いては住宅というものは最終的には土地に定着されなくてはならないものであるため、ちょうど消費物資の集団に対応してのセールスの機構や、マーケットそのものの開発が必要であるように、住宅生産の工業化、量産化には、生産物が量的に大きく在庫や運搬に限度がある点から、その本質であるコンスタントな生産の流れを確保するためには、より一層その受入体制の整備、宅地供給の流れが必要とされます。したがって、法制その他の面はともかくとしても技術面では、これまで宅地でなかったところから宅地をつくりだす技術、既成市街地を再び宅地にもどす技術が大きな役割を果たします。その意味では、既成市街地の再開発が種々の事情からなかなか進まず、一方でそれほど造成をしなくてすむ土地は都市近郊に求め難いとなってくると、近郊でそのままでは住めないところを宅地化するという意味での宅地造成技術は現在にもまして大きな役割を果たすに至ります。

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現代は技術革新の時代であるといわれます。少なくとも技術の分野での発展にはめざましいものがあります。住宅生産の分野でのそれはどうなのでしょうか。その検討のためには、まず建築生産一般の状況に焦点を合わせなくてはなりませんが、建築生産の環境条件に最近目にみえて生じつつある変化をあげれば、下記のようになります。
技術の側の変化
生産手段の変化
材料の変化
労働力需給の変化
技術者需給の変化
施工対象の変化
市場の変化
また、その量的側面を数値で示せば、建築工事量の伸びは名目工事費で、15%から20%、一方で労務の伸びはここ当分5%程度とされています。
住宅のコストの要素をみると、労務費はここ10年で3倍、自然採取材料である木材、砂利、砂などは1.5倍、工業生産材料であるセメントや機械は殆ど横ばいに推移しています。一方で住宅需要の方はというと必ずしもいわれているほどの大きな量的伸びが見込まれるわけではないかも知れませんが、近年ではいずれにしても、不燃化の進行、都市集中、一戸当りの規模増、内容、設備の質的向上、高度化が予測されています。これをさらに具体的な技術ベースの水準におろして考えてみると、まず需要の側では、絶対量の増大、地域的集約化、不燃化、質的高度化、設備比重の増大、一戸当りの規模増、消費材化、設備比重の増大などがあります。そして供給の側では、労働力不足、設備投資、自然材料の枯渇、工業生産材料の増加、工業生産部品の登場にまとめられます。これがこれからの住宅生産の技術的条件なのです。
しかし、これから予想される住宅生産技術の環境の最も基本的な条件は、人はますます不足してきますが、物はますます豊富になり、住宅生産の諸体系もこれによって再編成されるであろうということです。それは第一には価格面で人は高く、物は相対的に安くなるといラことですが、それにもまして人の方はその絶対数がいかにしてもどうにもならないという時期がきます。
これまでの日本の人は無限、物ことに工業生産物は高い、もったいないものが、逆に機械は自由に、人は高いだけではなくて数に限度があります。したがって、適当な手段、方法さえあれば、労務最少設備投資は事実上上限なしで、システムを考える時代がすぐそこまできているといえます。
つまり最も必要とされることは労働生産性の向上ですが、その方策としては一般に次のようなものがあげられます。
人力に代る勤力の導入、技能の機械による代替自動化、組織仕事の流し方、標準化などソフトウェア的側面の合理化。
住宅生産の技術的な特性の一つは、やはり大きさの関係でどうしても現場作業が残ることです。つまり生産活動を現場と現場以前に分けて考えなくてはならないのですが、生産向上の幅で両者を比べると、現場の機械化、省力化には限界が近いところにあるために、合理化は工場生産分をます方向に向わざるをえません。つまり機械化といっても、現場ではその装備率にはかなり低いところで限界があり、また材料の側からの合理化にも限界があります。
これまでのところでは、機械化がめざましいといったところで、それはたかだか基礎工事、現場内運搬程度にすぎず、それも大工事ならともかく、住宅工事では殆ど進歩はみられません。したがってそれ以外の生産性向上の部分は工業生産材料、部品の導入、進出によりかろうじて得られているにすぎません。したがって、この状況を一歩進んだものにするには、いずれ第一の段階としては住宅全体の完全部品化、第二の段階としてはルームユニットの工場生産化以外に方法はないかと思われます。つまり信頼度が低く、生産性の上らない現場接合部を滅らし、また、現在の方法を延長しても全くといってよいほど進歩の余地のない現場での仕上げや、設備配管工事などを少なくするには、どうしても現場に持ち込むものをなるべく大きなブロックとし、そのブロック自体は極限まで工場で完成させておくより方法がないのです。例えばその発展によって左官工事を大幅に減らしたボード類自身の取り付けにしても現場では必ずしも、効果的な生産性向上の方法がなく、したがってどうしてもその作業を「工場」に入れる必要があります。合理化のためには工場でせめて部屋をつ作り、現場に持ち込むことが必要なのです。

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