材料費の比率と変動

建築工事費の構成についての直接工事費をとってみると、従来から材料費、労務費、外注費の三大要素に分ける方法が行なわれていますが、これらの間の関係はきわめて流動的です。建物の各部が部品化されて工場生産に移された場合これを材料費として計上すれば、現場では組み立ての手間のみが残されて労務費は極端に少なくなります。外注費の場合、下請業者は材料持ちで建物のある部分の工事を請負うので、ときには材料費、労務費および経費に分けて原価計算を試みることもありますが、一般には細かい分析は行なわれません。価格の形成は原価、利潤で決定されるものではなく、取引当事者双方のやり取りの結果決るものです。ときに内訳明細書において認められた単価からはじき出されたものであり、あるいは公表された市場単価を参考にして、需要と供給の力関係によって決定されます。

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間取り

建物を用送別、構造別に類別し、それらをモデル化して、材料、労務の各々にそれぞれの比重を定め、物価、賃金の変動に応じて標準建築費指数の変動を追跡する作業が建設工業経営研究会によって行なわれています。材料費のみをみれば直接工事費の70%前後ということができます。
和風の住宅では天然材料が素材のままで現場に搬入され、僅かに加工処理されて使用されることが多くありました。日本壁は小舞竹をわら縄で組み、いわゆる竹小舞を掻いて壁土を水でこねて下塗りとし、この上に中塗、上塗を行ないます。これに対して現在は石膏ボードに穴をあけたラスボードを釘打ちで取り付け、これに中塗から始めます。ラスボートはその下地材としての性能よりも労務費節滅のために使用されます。経済性の判断が建物の単価引き下げだけから判断されがちですが、居住者にとっては、本未建築材料は作り出されたより環境条件を保持する性能から判断すべきものです。
建築材料の中で主要材料といわれるものは砂利、川砂、セメント、タイル、杉正角、杉板、杉平角、山形銅、棒鋼、丸くぎ、ガラスなどであり、賃金としては大工、とび工、土工、鉄筋工、石工、左官、塗師などがあげられています。建築費の中で材料費が占める割合は賃金と相対的なものです。いまや建築材料はいかなる程度に工場で加工され、現場工数がいかに少なくて同程度の性能を満足させるかによって評価されます。古い区分は施工業者が原価計算のとき必要なだけで、発注者や設計者にとって必要なのは建物のある部分または部位の単価です。たとえば建物の外壁面に窓をあけるとき、ある面積だけ壁面が滅少すればいくら滅額になるか、そこを窓とすればいくら増額するかということであり、部分別、部仕別の見漬もりがその性能とともに考えられるようになりました。柱や壁のコンクリート下地にプラスタ塗り仕上げをしていたものと、合板型枠を使用して平滑に仕上ったコンクリート面に直接艶消しペンキ塗りしたものと素人目には大きな差はみえません。居住者がこれでも満足していれば問題は変質されます。居住者が代替材料で満足しうるかどうかは住宅問題の受け取り方によります。

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