プレハブ住宅の概念

プレハブ住宅とは、住宅を構成する各部分を、工場で形づくって、それらを建設現場に運び、現場では簡単な仕事だけで完成させるような方式で作られる住宅のことです。ただし、プレハブ住宅という言葉は、日本語的な表現であって、プレハブされた住宅、プレハブリケーションの方式によって生産される住宅という意味です。これは建物の一部または全体について、それを現場以前の場、主として工場で、あらかじめ形づくるという意味であり、建物を構成する一部分だけについても用いられ、例えば外周壁だけとか、浴室まわりだけとかについてプレハブ化されているということができます。このように、建物の部分についていうときは、プレハブ化されたものか、そうでないかは比較的明瞭であり、本来的な言葉の使い方になっています。しかし、これを一個の建物全体、住宅全体についていうときは、相対的、俗称的な使い方となって、プレハブリケーションに依存する度合いが大きいものをプレハブ建築とかプレハブ住宅とか呼んでいます。

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これまでの伝統的な建築生産方式では、建物をつくる仕事の大部分は、建物の最終位置である建設現場で行なわれていました。仕事の場が、現場という領域であるだけでなく、出来上った建物の各部分が最終的に占有する場所に向って、仕事をしていたのです。例えば鉄筋コンクリート造住宅の、2階の東面の壁の南寄りの部分に入る鉄筋は、正にその位置に向って配置され、その部分のコンクリートは、正にそこに向って打ち込まれていたわけです。そして、工程の途中にある半完成品としての工事中の建物も常時、正確にその最終位置を占め、その各部に次々に付加する形で次なる工程が行なわれ、このような形で、建築生産という価値付加行為が重ねられていました。各工程での付加価値たる人間の労働力や機械力も、そのように最終位置に向って投入され、その場に凝固して建築的価値を形成していったのです。
これに対して、プレハブ住宅の価値付加過程は、半完成品としての工事中の建物がいまだ存在しないまま、建物を構成することになるであろう各部分が個別に価値を付加されていきます。そして、最後は、在来の伝統的方法と同じく建設現場で仕事されるのですが、その仕事は、実態としては半完成品に順次各部構成材を付加していくという形に近いものも見られますが、少なくとも理念としては、そのように半完成品に重ねていくのではなくて、各部構成材を組織して一挙に最終生産物に組み立てるという形となります。プレハブ住宅が、高度にプレハブ化された場合には、現場で行なわれる仕事には、各部分を形づくる加工という作業はほとんど消滅し、組立てという作業のみが主要な仕事として残ると考えられます。この現場組立てとは、部品をその最終位置に運搬配置することと、それらを相互に接合すること、および、それらの組織的な管理の三つを主な内容とすることとなります。
以上のように、プレハブ住宅の主要な特質はその生産過程にあります。生産過程の革新によって、生産上で一定の効果をあげようと意図されたものです。したがって、出来上った住宅そのものが、在来の住宅と異なる点をもっているとしても、それは本来意図された違いではありません。プレハブ住宅は、何よりも住宅であり、住宅として良いものでなければならないのです。
以上述べたところは、プレハブという言葉の字義に沿った、 ごく素朴な意味でのプレハブ住宅の説明です。そして、プレハブ住宅は、ただプレハブ化することが目的ではなく、プレハブリケーションという手段によって、労働の生産性や総合的な生産性を向上させることが主要な目的であり、そのためには単にプレハブ化するだけでなく、工場や現場の生産方式を工業化することが必要であり、工業化するための設備投資や組織化が経済的に有利となるためには、一定の条件が必要です。

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