住宅問題とプレハブ住宅

プレハブ住宅の生産面を考える際の基本的な評価事項として、次の二点は区別して考えるべきです。技術方式としてプレハブ化がどれだけ進んでいるか、労働生産性向上の効果がどれだけ果たされているかの二点の区別です。この二つは、プレハブ住宅を考える際の基本的な評価標識ではありますが、いずれも技術的ないし技術経済的な観点からの評価であるに過ぎない点に注意すべきです。さらに、もう少し目的に近い評価としては、総合的な生産性の向上がどれだけ果たされているかが問題とされるべきであり、生産技術的な範囲では、これをプレハブリケーションの究極目的と考えられます。しかし、ここでプレハブ住宅を住宅問題の中で考えようとすれば、これだけでは不十分で、プレハブ住宅が計画量産され、相当高度に設備投資された生産方式で生産され、労務量の削滅も著しく、労働水準の高い環境の中で現場依存的な工法に比べて相対的なコストダウンに成功し、プレハブ住宅メーカーの採算的有利性が確立されたと想定すると、コストダウンとプライスダウンを十分に区別した上で、プライスダウンがどれだけ果たされているかが問題とされなければなりません。

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住宅の生産原価の低滅が果たされても、それが住宅の需要者に渡る時の価格の低滅と直ちに結ぴつくとはいえないのです。例えば日本住宅公団が中層のアパートを発注するのに、現在は在来工法とPC板工法やMF工法という工業化された工法とを併用している段階ですが、その建設工事費は、在末工法の価格を標準にして、工業化工法でもそれとほぽ同一の価格としています。したがって在来工法の価格が上昇すれば、工業化工法によるプレハブ住宅の価格も上昇することになってしいます。もちろん、このような状態では在来工法にも生産合理化の努力はなされるわけですが、住宅の需要者側から見た価格の低減にはなりにくいのです。しかし、コストダウンされた分だけ、プライスダウンするということは、生産者側の生産合理化の意欲を減少し、建築生産の技術進歩にとって逆にマイナスにもなりかねません。したがって、現在の段階では、プレハブ工法等の技術革新や設備投資を促進させるために、コストダウンのメリットが、生産者側にも還元されるようであることも必要です。そうして、工業化方式の生産能力が拡大し、受注競争ないし販売競争が強くなってくれば、経済の原理による価格低減も期待されるようになるといえるのかも知れません。しかし、この事は余りにも生度者本位であり、これでは住宅不足や住宅困窮等が建築生産の工業化を推進するために存在し、日本に住宅産業という新しい巨大な産業部門を出現させるために存在し、ひいては日本経済を拡大発展させるために存在していたかのように思えてくるのです。公団家賃が高過ぎるという論議がなされるときに、必ずといってよいほど、プレハブ工法をもっと大幅に採用して、建設コストを下げ、家賃も下げるべきだという話が出てきます。そして事実プレハブ住宅の発展は目覚ましいものがあります。しかし、そのことが住宅需要者にとって住宅を入手し易くするというところには、なかなか結びついていかないのが現状です。そこで、住宅公団、公社や公共企業体等の住宅発注にあっては、価格から出発するとしても、次に標準価格を止げる際には、工業化工法の方は在来工法の上昇分よりも幾分低めの価格上昇におさえる努力を行なうぺきてはないかと考えられます。それは、生産者にとって工業化工法を在来工法より不利なものにするようであってはなりません。とにかく、なんらかの方策によって、プレハブ工法の価格の上昇が在来工法の価格上昇に追随する慣習を打ち破る努力が要請されていると思われます。
プレハブ住宅が相当のプライスダウンを実現したとしても、これによって望ましい注宅が著しく入手し易くなるわけではありません。徒って、プレハブ住宅を考えるときに、どれだけ入手し易いかという評価標識をどうしても欠くことが出来ません。この入手し易さは、価格の要素の他に、供給、流通の態勢、購入資金の融資方法、住宅性能の解り易さとその保証、施工工期の短縮などの諸々の要素から構成されています。

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