住居空間

独立住宅で育っている幼児は、自分の家という観念を知らず知らずのうちに学んでおり、アパート育ちの子供は幼児期から集団生活の厳しさに直面するために、個人の中核としての自我の形成にあずかる住宅としての家族が与えられず、自我の成長を阻害され、それより早く一見社会性に富む性格となる傾向があります。自分の家という観念が植えつけられるのに必要な住宅規模は、独立住宅の場合で建築面積30平米、庭面積100平米ほどのもので十分であり、庭木などの施設的なものが、かなり子供の個性的表現の素材となります。高塀をめぐらす独立住宅に育つ子供は、保守独我的で独立心に乏しい傾向があります。団地アパートの場合は、室数三室以上,建築面積30平米ぐらいの規模で、専用の台所、トイレ付きであることが望ましく、共同炊事、共同トイレ、その他洗面、洗濯場、庭園、遊び場、物干などの共同であることは、ある程度個の確立を歪め、要領はよくなりますが社会性も個性も共に確立されません。住居形式が子供の人格形成上心理的に影響することは住宅設計上に重要な問題を提起しています。

スポンサード リンク
間取り

今後は、さらに集団住居形式化することが当然ですが、その場合単に規格化された住居空間は、とかく人間の機械化をもたらしやすく、そこに居住する人間の個性が確立されない限り、規格化は人間生活の機械化をもたらし、協力意識を弱め、歪められた競争心をあおりかねません。集団生活の住居計画に際しては、集団住宅に共通したものは標準化し、個々の住宅独自のものは個性化するというように、標準化と個性化を調和よく取り入れて、統一と変化の効果をあげることが必要です。例えば集団住宅に一貫した色彩は標準化し、独自の役割を果たすものには個々の色彩による個性化を与えるとか、各ブロックに数字的な記号をつけると共に、それについての情緒的愛称も与えるということです。
人間の住居を持ちたいとの欲求は人間の生活欲求から生まれるもので、その内容は、体養、就寝などの生理的なもの、家族集団生活を楽しみ、プライバシーの保持と隣人との接触などを含む家庭生活的なもの、造形上の感覚的なものの三つに大別されます。人間の生活欲求は、様々な行動を起こすための力を生じる動因となるもので、日常生活に深く根をおろしている基本的行動です。その基本的行動が人格的欲求となって現われたものが、愛したい愛されたいと願う愛情欲、ある集団の一員でありたいとする集団欲、自己の存在を認めさせたいとする個性欲、創造的な思考と個性の形成を願う独立欲、生活行動の貫徹と生産性の向上の成就欲、の五つの欲求です。建築を機能的に設計することは、この五つの欲求を検討して、これらの欲求から発生してくる要求プログラムを満たすような生活空間を設計することなのです。例えば住宅の場合について考えて見ると、愛情欲に対しては、居心地のよい幸福感、健康感に満ちて人々との接触感を刺激するだけの調和とリズムを保つこと。集団欲に対しては家族相互の親密結合を高め、人格の形成に資するだけの実用性と造形性の調和を創造すること。個性欲に対しては、家族構成員の個性の確立と相互融和の広場たるべき空間構成の標準化と個性化の調和。独立欲に対しては、プライバシーの保持と家族各自の役割の完遂を可能とするような空間の独立性と可変性の保持。成就欲に対しては、生活行動の能率化と思考力とエネルギーを生むような空間秩序と有機的造形というようなことになります。

間取り
住宅生産技術の体系/ 居住性の技術/ 材料生産の技術/ 住宅生産技術/ 住宅生産の性格と技術/ 建築技術一般での住宅生産技術/ 住宅生産の歴史と将来/ 住宅のプレハブ化と工業化/ 住宅生産工業化/ 工業化工法の発展/ 宅造技術と住宅生産技術/ キュービックシステムの普及/ 設計・監理費/ 建築材料と施工の機械化/ 建築の部品化と工業化/ 生産性の向上と建築費の変化/ 住宅の種類と設備工事/ 材料費の比率と変動/ 賃金の上昇と作業内容の変化/ 建築生産の近代化/ 住宅建設の実績とネック/ 住宅工業化の歴史/ 住宅生産工業化の方向/ プレハブ住宅の概念/ プレハブ住宅の種類/ 工業化とプレハブリケーション/ 住宅問題とプレハブ住宅/ プレハブ住宅企業化/ PC工法による企業化の発展/ プレハブの範囲と区分/ プレハブ住宅の生産と販売/ 家族構成と生活空間/ 住居空間/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサード リンク

プライバシーポリシー