敷地と設計

日本の社会問題のすべては、土地問題に通じるとまでいわれます。したがって住宅の計画においても、土地問題が根強く絡んでおり、しかも住宅問題の矛盾と混乱はこの土地に帰するところが多くなっています。具体的に個人住宅の設計計画においても、まずそれに先立つ敷地の選択や、あらかじめ想定された計画内容に対しての土地の通性判断が、なによりも重要な役割を持ちます。この敷地の選択や過性判断は、特に今日の都市化現象からすれば、かなり多方面から検討されねばなりません。検討項目を要因別に列記すれば、交通と道路、地形と地勢、近憐環境と公害、建築ならびに都市の規制、都市としての公共的設備、将来の展望と財産価値などが考えられます。このような広範囲の検討によって、比較的に総合評価が得られると思われます。しかしながら、土地難の現状では、平均的な総合評価ですっきりと選択されるような例は少なく、むしろ項目によって評価の軽重をあらかじめつけて選択する重点主義的な評価がなされています。例えば都心まで30分という距離が絶対的に必要ならば、公害や地形、規模等に欠陥があっても、これを無視するか、少なくとも設計技術でこの欠陥を補うかといった決定がなされる場合などです。

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間取り

ことに都市化が進むことによって、検討項目の中で重点が置かれるものは、交通と道路のいわゆる交通系と近憐環境と公害の環境系、さらに、建築ならびに都市の規制の法規系の三つの系です。これは市街地の住宅はもちろんやがて都市のスプロール化が予測される近郊住宅地についても、あらかじめチェックする上で極めて大切なものです。そして、この三つの系に共通して注目すべきことは、すべて個人の家の隣近所という小さな段階から、都市という大きな段階までに関連していることです。交通系では、住宅の路地から住宅街の道になり、市街地の通りになり、都市全体の幹線道路になって行きます。環境系でも、前面道路の騷音から商工業の区域的な問題、さらには都市全体の大気汚染という具合に拡大し、法規系では1軒の家の高さ制限から、都市計画道路、用途地域等の地域的な問題にまで展開します。ということは、1戸の住宅はもはやその住宅の内側だけでは解決されないことを示しています。前に述べた重点的な偏りのある評価も、これらの問題と合わせ考えると、1戸の個人住宅と都市といったものとの関係には、はなはだしい矛盾と断層があります。端的にいえば、これが今日の住宅設計の隘路であり混乱です。
一方、悪条件の土地に対する設計技術による改良や改善によって、少しでも矛盾を減らそうという努力も盛んに見られます。これには災害防止としての技術的解決や、不良条件を改善する質的転換の手法等があり、設計の配置、平面、空間の計画はもとより、工法、構造、設備、材料等の新しい技術や手法が大いに役立てられています。そのいくつかの例として、傾斜地、崖地、低湿地等が挙げられます。かなりの急傾斜地でも、平面、空間計画によって傾斜を活用し、かつ平坦な計画では見られない新鮮な空間展開の住宅ができる場合もあります。崖地では、構造の工夫によって新しい人工土地を設置したり、擁壁を利用したりして土地を高度利用し、かつ安全で新たな環境を作ることも可能です。低湿地で見られる昔からの高床の工夫は、最近の狭小土地、自動車等の問題から、いわゆるピロティといった段階にまで利用されています。そして構造、設備、材料の新しい展開は市街地の公害から守るために、密室のような住宅をも可能ならしめています。

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