住宅と配置

住宅がどのように敷地に配置されるかの問題を整理してみると、建築物の配置がもっぱら視覚的な検討で終始できる恵まれた場合と、日照の確保、騒昔や視線からの防衛、防災等の最小限の住宅環境を維持する場合の両極があります。前者は主にデザインの問題であり、後者は住まいとしての基礎条件を確保する切迫した問題です。今日の住宅が、基礎的条件すら欠くことが多くなったため、単なる配置の間題に止まらず、建築物そのものでどう受けとめていくかというところから計画をはじめなければなりません。建物の平面図が、平面図だけ単独に書かれずに、敷地全体の表示を必ず行なう必要があるという主張はそのためです。敷地の条件を、住宅の室内計画にまで関係させて、敷地だけでは何ともできなかった問題を処理しようとするものです。建ぺい率が決まっている地区でも、中層の集合住宅などが建てられると、個人の住宅の日照権があるかどうかという問題まで出てきます。

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間取り

まず第一に、敷地内での住宅の配置だけを抜きとって考えれば、敷地の南側をできるだけまとめて庭として残すことが常識です。そのため、建物は北寄りに配置し、門からのアプローチも南にたとして残された部分を犯さずにとります。普通、敷地の東西道路、北道路からの東入り、西入り、北入りが好まれるのはこの理由です。しかし、最近では,南にのこす庭が十分日照を確保できないことが多くなっているので、南道路からの南入りという形式が再検討されるようになりました。南道路の敷地は、その道路幅だけ日照に有利だということです。
同じ理由から、今までは敷地の東西が長い形状が好まれていたのが、今後は正方形よりむしろ南北に深い敷地が好まれます。日照が確保されることと同時に、住宅のプランが南廊下型から居間型になり、建物の東西寸法が短いものが多くなったこととも関係があります。300平米をこえる敷地でも同じ解釈でよく、さらに600平米以上になっても、敷地の再分割ということを考えて、南北に深い形状は望ましい。
都市の家庭が圧倒的な核世帯権成に移行しているのは数字の上で明らかですが、敷地をもつ個人住宅の場合は、複合家族という構成を社会的な役割として受け打たされていることが多い。同じ敷地内で、2世帯の家族を分離しながら共存させるという手法が、配置計画の中で重要な地位をしめているのはこのためです。この場合は母屋と付属屋という構成をとる場合もありますが、同格の棟の配置も考えられます。1階と2階とに分離するという手法も多く用いられます。さらに大家族構成の名残りで、数筆の敷地に分割して、それらを関連させながら建物を配置していくという例もみられます。
このように敷地と建物との関係は単純なものから複雑なものへ変化をしていますが、さらに重要な変化を配置計画にもたらしたのは自動車です。
門から玄関へのアプローチは、自動車が入ってくることによって一変しました。従来ならば4mから5mもあれば、門から玄関までを植樹や、階段や、通路を曲げることや、玄関の庇や、建物の複雑な形を利用することで、こぢんまりとはしていても複雑な顔を作ることが、効外住宅の作法になっていました。しかし近年は郊外の住宅地で住宅の顔となるべき場所が車によって占められ、色付きビニールの下屋などで全く無残にされているのを見掛けるようになっています。注宅と敷地との関連を、設計のはじめによく把握しておくことが第一です。

間取り
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