配置計画と庭

配置計画が、敷地の狭小化と車の普及により、根本的ともいえる変化を遂げていきました。日本での敷地を囲う技法は、多くの場合、素朴に敷地いっぱいに自分の居住権を主張しようという動機から作り上げられています。したがって、敷地と敷地の境界でも、敷地と道路の境界でも、物理的にも視覚的にもできるだけ堅固な障壁をつくるということが一般化されています。もう一つは、敷地を囲うことと、建物を建てることは別の仕事であり、予算なども同時にたてておくことは少なかった。この二つの条件は、郊外の住宅地をひどい混乱におとしいれました。塀との関係をもたない住宅は、予算の関係で一時しのぎの植樹を行ないます。そこへ自動車が入ってきて大きな場所を占領します。建物、塀、自動車が関連づけられていないことは、住宅地というものがある風格を持っているものだという初歩的な環境づくりの手法を忘れさせてしまったのです。

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間取り

本来は日本の住宅地は車を入れるような構造をもっていませんでした。道路の組織は、過去の街を少しずつ改善しながらつくり上げられたもので、ようやく幹線クラスの道路整備は急がれるようになりましたが、末端の組織では無秩序のまま置き忘れられています。
敷地の個々の計画を行なうまえに、環境計画に関する基礎的な協定が必要なのです。道路のネットワークが計画のはじめに許されるような都市計画のレベルでは、歩行者専用の道路と車のための道路、駐車場との分離が行なわれており、環境作りのルールが認められるようになっています。しかし、各戸に自動車が入れるという条件と敷地の有効率をできるだけ高めるということと、車と歩行者を分離したいということは、元来よほどの条件が捕えられていないかぎり無理な注文というべきです。
そこで道路や敷地の有効比率の問題には触れないとして、関西などで見られる敷地の協定を民間段階で行なうという例がいくつか見られます。それは特に電鉄会社などによる沿線の住宅地開発に見られるもので、商業政策としても住宅地のイメージを下げないための自衛手段です。
過小宅地をつくらない。塀の高さを低くし、目かくしとしては協定された生垣で、住宅地全体を統一したイメージにする。さらに敷地内に植える樹木も、目通りになるところには主題となる樹種を2、3種目決めておきます。これらの消極的な手法だけでも、総合的に実施されてみると、開放性、住宅密度の抑制、高さの統一された町並、計画された植樹によるその土地の究極的な植生の再現というような複合効果を十分あらわすことができます。
同じく民間開発によって、敷地大きさを維持するような協定を契約時に結び、塀、門を許可しないという環境づくりが行なわれています。これは、敷地内に立てられる住宅の設計を、建築家協会や建築士会に提携される建築家に以来する、ということで一層環境整備の思想を明らかにしています。これらはすでに実施された民間開発の例ですが、さらにこの思想を土地の広さに応じた段階的方法におろそうという計画もあります。この場合は、垣根の協定をもう一歩進めて、宅地の共有化や共用化による前庭、共通の樹木のある庭を景観上残そうとするものです。一般的にこのような土地問題に触れることができれば、環境計画から個別の敷地の計画という順序になり、庭や塀に関する従来のイメージを一変することができます。このような傾向と併行して、塀を簡使にしようとする動きが多くなってきました。もう一方では、自動車乗入れを建築と敷地の複合体で受けとめようとする方法があり、住宅建築そのものを裸にして道路に面せさせる計画が多くなり。家を見せるという方法は、古い封建都市の街並としてなじんでいますが、新しい住宅地でこのような洗練された街並が出来上がるためには、不動産会社などが一つの見識をもって協定その他を推進する必要があります。庭については、在来通りの作法で樹木と芝生、樹本と石組等、和風洋風とも行なえる規模の敷地でも、植木職による定時的な手入れが次第に困難になっているので、次第に簡単な洋風化の庭が行なわれるようになっています。この場合でも、住宅との取合いは一層厳密になってきて、中庭、テラス、ピロティ等による内部計画の廷長が庭に応用されます。これらを支える現象が住宅の洋風化によることも見逃せません。玄関の扉が隠れるより明示されることを好むのは、その象徴的なあらわれです。

間取り
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