狭小敷地

敷地についての今日的問題は、狭小敷地につきるといえます。その例を東京周辺にとって見ると、この傾向ははなはだしく、都心から通勤時間1時間半も離れた地点でも、100平米から150平米の敷地面積で売られる例が圧倒的に多く、これらは土地の価格側から算出された面積ですが、一方で1人の人間が住むために必要であり、快適さが保証される広さは、通常、1家族、夫婦子供2人で250平米ぐらいが必要とされています。この数字の差が住宅環境の劣悪さを示しています。市街地はもちろん、郊外地においても100平米から150平米程度の狭小敷地が密集しているところ、もしくはやがて密集する可能性のあるところの住宅は、原則として耐火性、少なくとも不燃性の必要があります。現状では、市街の中心部では法律上の強制によってそれらの構造方式が採用されていますが、郊外地等では、不動産業者の経営上から危険と無秩序の木造建売の密集住宅群がかなりの勢いで拡がっています。経済的な向上と郊外地の完全な市街化現象をともに考えると、計画的には狭小敷地を容認するならば、建設される住宅の構造は耐火、不燃性能を有することを前提として考えるのが当然です。ここでは、むしろ、狭小敷地の居住性の劣悪改良する第一は、不燃化の構造であるといえます。

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間取り

居住性をより高めるための努力は、設計技法のうえにも関連してきます。コートハウスと呼ばれる積極的に中庭を取り入れて敷地を建築的にフルに活用する平面計画もその一つです。また、建築を特に立体的に考え、天窓や吹抜けを利用しながら内部の居住性を良くする方法、さらに屋上庭園やバルコニー等を設けて人工的な新しい外部を積極的に作る方法などもあります。これらの方法による住宅作品が、最近とくに、建築界で着目されているのも、今日的現象を端的に物語っています。
この他に空中高く住居部分を持ち上げる空中住宅といわれるものや、3階4階と重層に債み上げる塔状住宅といわれる特殊な手法も提案されていますが、これらの場合注意しなければならないのは、これが個人住宅側のみで捉えられるとき、必ずしも近隣環境、住区環境全体の配慮からは好ましくないということです。狭小敷地を個人側で十二分に活用することと、周囲の環境を考慮することの間の大いなる矛盾は、こんな場合に如実に現われています。
そこでもう一歩進めて考えると、狭小敷地における住宅の設計は、周囲の近隣との間に一つの協調を見いだす手法を見つけることであり、これを着実に実現化するには、もはや個人住宅ごとの設計ではどうしようもないという地点まてに到達します。敷地間の共通的なルールの見出し方と同様に、というよりもそれ以上に、この場合は建築の形の上の相互関係のルールを見いだす必要さえ生じてきます。つまり相互の平面ならびに立体的な量と配置に、十分の計算がなされていなければなりません。この量と配置の計画の基準は、日照権やプライバシーといった、生活上の少なくとも最低限の確実な保障を考えることから生まれます。しかし土地の所有権が基本にあり、しかも商店街などのように利害が共通問題になりにくい個人住宅にあっては、この手法を速やかにあらゆるところで現実化することもむずかしい。ここで期待できるのは、自己防衛しようとする住区の人々の自治的な総意による規約か、力のある不動産業者やディベロッパーの購入者に対する先行的な環境保全のための強制力をもったルールしか存在しないように思われます。とすれば、設計技術をこえた段階で決せられるわけであるため、少なくともこの下側の自治的な方法にせよ、上側の条件付の方法にせよ、それらを少しでも暗示できるような設計側の姿勢を要求することを、今後の狭小敷地問題は残しています。

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