工法と構造

住宅の構造を選ぶのは、かなりの判断を要することです。判断基準として、工費、環境志向、施工の条件および施工者、材質やデザインの好み、設備部分の取合いの五つがあります。現在の構造を決定する要因は工費が最も大きく、他種の構造とかなり接近してきてはいますが、安直さと価格で木造がもっとも多くなっています。環境面では二つの面があります。まず、防災構造を選ばなければならないような市街地や密集地。しかし同時に、不動産と土地の価額を考慮に入れる場合は逆となりますが、環境が高密度地区であれば、鉄筋コンクリート構造としておくのが一応の常識です。また狭小宅地や勾配地、連続建によるコストダウンの配慮等には、RCと木造との混用が考えられます。

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施工と施工者では、在来の大工棟梁を中心とする施工グループでは、木造ないしブロック造を中心とする横造を選ぶことになります。しかし、これら在来の施工チームによる施工は、労賃、組織の問題もあって変質しつつあり、木造建築すなわち廉価という図式も変わってくることが予測されます。この場合、工法上、材料の選択と採用と施工からいってプレハブ化や、組立工法が独立するような施工法が生まれる可能性が大きい。逆に、材料組立業者が広範囲に建設労務者を編成するという分布が考えられます。この場合は、今までの軽量鉄骨造が本命となるかどうか予測しにくい。プレハブそのものの設計はもっと大きく変わらないと幅広い選択性を保持できないからです。
材質やデザインの好みでは、骨組とインテリアが分化していくことが考えられるため、構造的には複合された工法に発展していくはずです。
最後に、設備と構造との関係ですが、今日でも住宅における設備の充実は目をみはるものがあります。とくに耐久消費財を大量生産し、大量需要の開発に成功したことから、家庭電化、住宅の本格的設備設計は住宅設計の方法を大きく動かしています。この場合、気候調節や、水関係の処理のため、設備のパイピングや防水防湿の処置として一部分をRC造、ブロック造とする複合的な構造やデザインが増加しています。
以上が構造を決定するための要因とその背景となっている社会的条件ですが、構造を決定する設計上のポイントとして、市街地では鉄筋コンクリート造とし、中庭や屋上庭園を有効に利用し、日照、眺望、プライバシーの確保等複雑な条件を満足させるのには可塑的なRCはもっとも好ましい構造です。トップライトによる採光の確保や、室内空間を豊かにするために吹抜部分をつくるなど、空間構成も劇的に行なうことができます。室内については、都市の自然不足を補うため、木質の仕上げや、花壇などに土を持ち込む等手のこんだ内部構造をとります。
近郊型では、かなり中間的ですが、外壁だけを鉄筋コンクリートにする複合構造などが最適です。この場合には、大ぎなラーメンや自立壁の採用で、いわゆる鉄筋コンクリートらしいかたくるしさを超えた設計を行ないたいものです。場合によっては、塀を建物の外周とみて隣家と共同にしたり、敷地の利用を最大限に行なうなどの処置も好ましい。
設備計画の充実、敷地の地形を補足するために、またはガレージ、倉庫、書庫、ボイラー室、機械室等の不燃構造が望ましい部分のために床版や、足元まわりを鉄筋構造にしていく設計があります。この効用は必ずしも経済的であるとはいい切れないにしても、室内等は在来の設計手法で行なえるところがよく、高度の木造設計を行なうことも容易です。
デザインとして、自然材料を用いること、石やコンクリートのように鉱物質の重いものと木造の軽やかさを演出すること等から、木造と石材、木造とRCあるいはレンガ積等の複合横造はよい。一般的に今後は工業化された性能のよい建築材料は増えていきますが、自然のもっている材質の良さを特に意識して用いたいものです。
木造は、今後工場生産体制に組み込まれることで施工の精度や、材質の低下の防止を行なうようになります。それには、骨組材の品質管理や、ジョイントの精度と強度の確保ができることが必要であり、さらにアルミニウムのサッシとの取合いや、空調ダクトの内蔵や多くの構造上の新しい問題を克服していく必要があります。木造住宅は、在来のものは少しずつ意匠的な意味を重要視して、日本の住宅設計の一つの文化的な意義を見いだすようなレペルアッブが必要だと思われます。したがって、木造は一番手っとり早いからという設計の方法では、昨日の構造といわねばなりません。

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