独立性と融通性

平面型での分類として、独立性と融通性という対立する性格が想定されますが、現実にはそれらの中間段階で構成される場合が多くなります。物理的に部屋を独立させるためには一定の規模が必要ですが、規模の十 分でないときはかなりの欠点が出て来ます。規模が不足しているとき、都屋を無理に一定の用途に固定してしまう危険を末然に防ぐ動機として、今日という時代を見直そうということです。静的空間と動的空間という2分法は欧米型の住宅の平面計画の古典的な手法であって、この二つをそれぞれ独立した生活圏として扱います。さらに、ガレージを加えて3分割の空間構成を行なう場合も多くなっています。二つの生活は、居間と台所とその関連諸室、寝室群とバスユニット、その関連諸室というそれぞれの組合せを持っています。この形式は、規模が100平米前後より大きくないと、自由な空間をつくることはできません。二つの生活圏のうち、寝室群は当然、さらに個室に分割され、廊下によって連絡します。もう一つの居間関連は、住宅の顔であり、その家庭のコミュニケーションの場として習慣づけられ、欧米の住宅では、それぞれ独自の設計の方法をもって固定してきています。空間的にいえば、2階と1階、スキップフロア、平家建によるゾーニング、吹抜けをもつ階下と階上、母屋と離れというような手段によって構成されるのが普通です。

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日本では規模からいって100平米を超えるものはこのスタイルによるものが多くなりますが、100平米前後のもの、あるいは特に融通型のプランニングによって日本的な生活様式の再認識をもくろむ例では、2ゾーンはあまりに固定的です。
部屋の組合せについての新しいこころみを考えていく多くの実験があり、かなりの成果をおさめています。居間糸列のグルーピング。居間系列が重要視されるのは、当然、ここが家族同士の会話の中心であり、同時に社会と家族との会話の場でもあるからです。まず日本の生活の従来の型がまだ残っている場合は、来客の応接的機能や事務的打合機能が多分に要求される場合が多い。次に、生活の中での家族単位での演出、あるいは家族ひとりひとりの生活の分化が考えられます。パーティや楽器の演奏等によるコミュニケーションは、もっとも規模を要するもので、居間のサロン化を必要とし、ここだけでも20平米以上を確保しなければならず、音響的処理を構造にほどこします。やや変わったもので聴音設備や舞台を必要とするものがあります。次に、居間と食事室との組合せ、和室との組合せ、戸外のテラスとの組合せ、カードルームとの組合せ、ホームバーとの組合せ、アトリエとの組合せ等際限がありませんが、このような複雑な組合せは、家庭生活のひろがりを外部の人々にも及ぼそうというものです。中でも和室の組合せは、日本的な転用性をねらったもので、二つの和室、洋室と和室、洋室の一隅の和室、和室の一部の板敷という多くの変化をもち、さらに静的空間と動的空間を混合していくこともできます。
食事、台所系列の組合せ。狭い住空間、家事労働の短縮という条件から出てきましたが、住宅公団のDKというスタイルで完全に一つの形式を確立しました。さらに、食事・台所居間、食事・台所和室、食事・台所・ユーティリティ、食事・台所・主婦室、という応用型を多く出しています。食事と台所がきり離されたスタイルでは、台所・ユーティリティ、台所・収納、ディネット化があり、食事室・居問、和室の食事室の場合の多用室化や食事室と個室、食事室とプレールーム等のグルーピングがあります。
日本独自なものとして、世帯別のゾーニングがあります。これは複合家族が独立住宅に生活する場合が多いためです。母屋と離れ、あるいは老人室という独立した部屋を別につくる二つの世帯用の住居を併存させる形式が思い当たりますが、今日ではもっと徹底させて、親と子供の生活圏を独立させる形式も家族生活の新しい展開によって生じています。これは核世帯の中でもおこるものであり、設備系の諸室をそれぞれの生活圏の中で持つとき、完全に分離した居住圏の結合といった形になります。 在来は、設備系の諸施設を共用していたため、独立した生活圏をつくることができませんでしたが、今日では完全分離までのいくつかの段階によってその家庭の事情に応じた処理ができます。こうしてそれぞれの居住圏の中ではきわめて開放的空間が復活します。

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