住宅設計

住宅の型から大別して、商品住宅、中間的住宅、造形住宅の三つに区画されるように思われます。高品住宅というのは、例えばプレハブメーカーによる住宅のように、完全に高品として取引販売されるもので、この種には、他に建売住宅や見本品のある標準設計住宅等があります。集合住宅としての、いわゆるマンションと呼ばれる民間アパートもこの部類に属しますが確定した需要に伴って建設される公営公団アパートは商品住宅とはいい難く、これら商品住宅の設計上の特性は、セールアビリティの徹底した追求にあります。現状では、土地問題等の外的条件や生産方式の内的条件で、必ずしも販売とその住宅の商品価値とは比例関係にあるとはいえませんが、住宅産業への社会的な傾斜から考えれば、やがて商品価値に委ねられると思われます。住宅の商品価値は価格に対する物理的性能の優劣、生活上の満足度の大小、それに流行に対する標準的感覚への適否で決定します。したがって設計側としては、購買層に対して経済的な限度、生活パターンの範囲、住生活に対する欲求と流行に対する感覚の把握を訴査することからはじまります。そして一方で平行して行なわれる生産方式、構法計画などから割り出された経営計画との通合性を幾度となくチェックすることが、すでにこの場合の設計態勢なのです。したがってはじめから設計図面が作られるのではなく、この繰り返されるフィードバックが図面化へのシステムを作るのです。もっともこの場合でもアピールする形に対する感覚や、装飾、装備、備品等の細かな配慮が、セールアビリティの意外な鍵を握るのは、他の耐久消費財と同じです。それゆえに、設計の重点は、絶えずフィードバックされるシステムに、流行への先見的判断が加味されることです。

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間取り

中間的住宅と呼んだものは、現状でもっとも多い住宅の種類で、今後も日本人の住宅イメージからすれば、まだ当分大勢を占める傾向が見られます。この型は、注文品として町の大工や工務店に依頼する形式のもので、設計も彼らか、さもなくば個人の設計者や、中小設計事務所、または建築申請の代願人が行ないます。この中間的といわれる性格は、あくまでも建主側の住宅計画にそって、これを設計側がリアレンジし、具体的な形に翻訳することにあります。したがってその平面形も外観や室内の表現も、部分的な個別性はあっても十分に平均的です。いいかえれば、徹底的な画一性もなければ、日常性を極端にはみ出す冒険もないわけです。ただこの場合、設計側に対して建主は自分の主張を専門的立場で検討することを要求します。もしくは、素人としての不安や不明の点を相談という形で持ち込んできます。このように設計側の役割は、専門家としてのリアレンジメントとカウンセリングです。そして安心できる標準タイプの住宅に、どことなく個別的な色彩を施すことにあります。個別的な色彩の施し方の端的に現われるところは、何々風と世俗的にいわれる装飾的技巧です。それゆえに中間的住宅の設計の優劣は、建主の要求への読み取り方、技術への安定性、装飾的技巧に置かれますが、その基本的な姿勢は住生活の日常性に対する肯定です。
造形住宅は、標準的な住宅と対比して考えられるものです。その多くは、それが作られる時点で反日常的な発想であったり、日常性に対する抵抗や極端な抽象化であったりして、その効果的なものは流行の先取り現象でもあります。この場合の設計者は、設計界では作家と呼ばれるごく一部の存在ですが、その衝撃的な発想がかえって標準化された社会に刺激をもたらすことも多く、特に今日の一般的な社会現象と家庭生活が全国的に画一化に向かう時、かつての近代建築の機能主義による啓蒙ほどの大きな転換動機はもたぬにしても、住生活への刺激剤としては有効です。しかもこの造形住宅では、基本にある衝撃的な発想が具体的な形として表現される点でその表現はしたがって全く個性的です。その刺激剤的効用と、表現の個性といった問題がかえって商品住宅の商品価値を高めるために利用されたり、そのパターンが次第に中間的住宅に普及し始めて一般化することも多い。ここで識別に注意を要することは、先の中間的住宅の個別性と、造形住宅の個性的表現がいかに異なるかですが、後者は、住生活の目常性に洞察を深めながらも、敢えて日常性と対決しようとする姿勢に自らを置いている点です。これら三つの型は,今後ますますそれぞれの性格を明らかにして進むと思われますが、ことに商品住宅化への傾向は強まると推測されます。

間取り
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