詳細の設計

一般に設計のイメージは、詳細のすみずみに至るまで伝達される必要があります。また、完成した工法は、それなりの完成した詳細を持っているものです。日本の木造の建築術にあっては、詳細、特に仕口と継手に巧妙な詳細が見られるのは用知のとおりです。これらの、いわば伝統的な手法も、今日では建築材料の変化に伴って、次第に新しい工法に変わろうとしています。つまり木材の仕口と継手による手法は、部品や部材同士の接合と組立ての方法に大勢を占められる状態にあります。釘打ちやビス止め、さらに接着、溶接といった簡略な方法です。このような傾向は、さらに大工を中心にした伝統的な技能労働者の減少によって拍車が掛けられ、やがては住宅のほとんどの生産が部品組立ての機械工的な存在に頼らねばならないだろうといわれます。現在のところは、一般的に従来の木工法に新しい建材や工業生産部品とをいかに組み合わせるかというこれまだ中間的な混合状態です。普及されている木造の住宅にあっては、いまだ大半は真壁造で、小屋組も和小屋、または垂木構造です。しかし内外の壁材、天井材等の仕上材は工場生産による新建材が多く、さらに鋼製、アルミ製の建具ユニットの登場により、その表面仕上材や建具材と、従来の手法の構造材との取合いの詳細は一変しています。

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内壁においては、プラスターボード上の塗壁が存在する程度で、ほとんどがボードや合板による仕上げ、それらを下地にして吹付塗装か壁紙、壁布を貼る仕上げとなっています。ここでは、それらを貼り廻らす手法は、釘やビス等の打ちつけか接着剤を利用した糊張りであり、その材料自身、取縮や変形が少ないため、さほど高度の技術を要せず、したがって、ボード、合板類の手法では詳細上考慮しなければならない点ジョイナーの活用や、あらかじめ工場加工された精巧な仕口によって、工作の際の工事人はもとより、設計段階の詳細でも設計者が考えなくてもよい部分となっているごただこの場合必要なのは、構造材との取合いです。
構造材との取合いでもっとも顕著な詳細を見せてくれるのは、金属サッシとの取合いです。これは今までにない木材と金属の接合であり、しかも金属のサッシは、あらかじめ寸法の限定された部品であるゆえ、ここでは詳細でいう逃げを必要とします。この詳細でも金属、もしくは木材のジョイナーを考えて上から当てるか、必要に応じてはコーキング材が用いられます。
このコーキング材の登場は、今日の建築の詳細をある意味で決定づけているといえます。工場生産化された建築材料同士の使用の場合、工場生産部材と木材や現場打コンクリートの素材との混合使用の場合、コーキングは今日では欠かせない存在です。在来の木造の仕口や継手の日本独特の神経質な詳細から考えれば、もはや詳細とはいえない程の変革です。そしてコーキングと先のジョイナーによる詳細の終極は、鉄骨とパネルのプレハブ住宅に見ることができます。また一方、特に防災や室内気候の調節のために様々な性能を有する材料が開発されるに伴って、その性能材の有効な使用による詳細も要求されています。従来の木造真壁構造の漆喰壁や土壁塗では、その詳細は全ての建物に適合されていましたが、今日では性能の要求度や性能材の相違によって詳細は異なってきます。特にたえまない新しい性能材の出現、複合した性能を有するパネル化の傾向に応じて詳細も変えられます。このような材料や性能による詳細の著しい変化と、それでもまだ残っている木造の古い詳細との間を考えると、設計の上で今日もっとも重要なことは、それぞれの領域、つまり人間の手に頼らない部分と、頼る部分を明快に区分して表現することです。というのは、相変わらず人間の手に頼らねばならない木造の技法を、ややもすると機械的で安易な詳細の設計で、技術的ミスを犯したり、逆に簡単に解決する機械的な部分に、とかく複雑な手法を使って不経済となったりするからです。

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