設備計画

工事費中の設備部分のパーセンテージが、かつては5%程度といわれたものから、今日では最小限10%程度で、充実するに従って20%から30%に達するものも少なくありません。この数値は、住生活による快適さの欲求と同時に、都市化現象に伴う生活必需装置としての設備化を物語っています。古い日本の住宅の作られ方は、自然の恩恵をいかに住宅内部にまでもたらすかにあって、外に向かって開放された住まいには設備という概念はなく、たかだか気候の調節が建築的な手法に委ねられていたといってよい。そして設備を住宅の中に内在させようという要求は、つい最近、しかも住宅以外の公共的な建築物からの影響によって認識されはじめたのです。一つの部屋を暖房しようという要求の前には、暖房完備の飲食店やデパートがあり、古くは水洗便所の普及には、学校や会社での先行が役立てられたといわれます。それにこれらの製品のメーカー側の強力なキャンペーンも拍車をかけたのです。

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間取り

在来は無きに等しい設備の問題が、しかも外的な力によって急速に採用され始め、住宅そのものの型をも目まぐるしく変えて行きました。水洗でない便所の場合は、少なくともこの部分をいかに隔離して、臭気や蠅から他の部分を守るかが、間取りの技法の一つの重要な部分でした。これが水洗という設備、バスユニットを導入することになり、コア型式と呼ばれる間取りも、それぞれの個室に付属させた形式の間取りも可能になりました。つまり、便所という設計上のタブーは消滅し、それによる自由度はいかに増えたでしょうか。
1部屋だけでも暖房をするという概念は、気密性の高い部屋を作るという性能的な変更を余儀なくし独立した密室を作るような間取りをも側面的に助長させました。しかし、この設備も次に住宅全体をくまなく暖房するようになり、さらにその次の地域暖房の時代になれば、その生活内容によっては完全に解放されたワンルームの大空間も考えられるようになります。
設備の意味には、キッチンセット、電燈、便所などの生活の道具としてのものの働きと、水や電気、ガス等の熱源とか、冷暖房された空気とかのいわばエネルギー系の働きとの二つがあります。生活の道具としてのものの働きが変わる場合は,設計の行為の上では、いわば部分的なものの変更が、全体の変更に及んできます。例としては先の水洗便所による間取りの自由度が増した場合などです。エネルギー系の働きが変わる場合は、設計の行為の上ではその本質的な環境作りのシステムの変更が、逆に部分にまで到達します。つまり、暖房の概念の発生によって、部分的な性能まで変えてしまう例があります。そして、これら二つはしかも実際に少なからぬ相互的な関連をもっています。水洗便所には水の利用があり、暖房という空気や湯の流れにはボイラーというものが存在します。このものとエネルギーの関連は設備の独特なところであって、設備側から住宅設計を考える時は、この関係の認識が重要性を帯びてきます。配線、配管計画と器具や装置の位置を、平面的、立体的に決めていく段階でも重要なチェックポイントになります。また設備化が高次になり、しかも経済効果を厳しく追求される次の時代のプレハブ住宅などでは、むしろこの考えが、設計の方法論として活用されることになります。
設備計画で現実的に大切な問題は初期の工事費と同時に、その設備の使用による維持費です。熱源の飲料、水道、動力等の使用料に、必要と思われる補修費もあらかじめ考えて置くこと。それに特に機器を使う場合は、その耐用年限による減価償却から、設備の方式を選ぶ必要があります。
金額的な問題では敷地外の外部の配線、配管の引き込みも、本線、本管の位置によっては多額の費用を要することもあるので、あらかじめ注意しなければなりません。都市施設としての設備化が不十分な所では、特に引き込み等の費用の算出や、将来の可能性に対するチェックが必要です。

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