標準設計での型設計

商品の設計に当たっては、まず需要者の要求を的確に把握する必要があり、そこからでてくる諸条件を分折抽出し、これを組み立て、それら各々の条件グループに対応する解決を見いだし、最終的には各居住者にぴったり適合する住宅設計が得られるように運ばれなければなりません。つまり、いっぽうで大量の住宅を供給しながら、他方でそれらが個々の居住者に最大限に通合しうるようにという、矛盾しあう要求を満足させなければならないのです。そこでその解決案として、様々な設計を用意するのではなく、いくつかの型にまとめるという考え方が出て来ます。この考え方は次のような理由に基づいています。住宅の規模が小さく、しかも大量に建設される。それに対して居住者の家族の規模と構成およびその生活は類型化できる。大量および合理的建設のためには、型としての集約は、材料、部品部材ユニットの規格化を容易にするなど生産上有利です。生活の格差、階層格差にともなう居住者の見栄などに歪められた住居観を払拭し、標準化された生活環境を最大限に効果的な形で利用するシステムが確立されます。

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このように建築的解決を型として計画することを型計画といいます。型計画は設計条件をも含めて計画の対象とし、型の形で設計を標準化したものです。居住者の条件や住生活上の要求と住宅との対応関係が、型計画における主要な問題点となっています。型計画は、標準設計のうちの生活の側面に重心があるといえます。具体的には、住戸平面の計画に表わされます。これに対して、生産経済的な側面を重視した標準設計の考え方があります。標準設計は、生活と生産の両面に意義があるわけで、標準設計の利用目的と適用対象の性格に応じて両者の比重が違ってきます。住宅の場合、標準設計は歴史的にいって型計画からスタートしており、今日に至るまで長い 系譜を残しています。標準設計を型計画と同義とみなす人も多い。しかし近年では、住宅の工業生産化が問題となっており、標準設計の生産の側面からの評価と検討の必要性が認識されてきています。
一般設計は個別的、1回的であるため、その結果が良くても悪くても、その経験が後に生かされ、蓄積されることは少ない。個々にはすぐれた設計例も少なくないにしても、失敗するケースも多く、同様な失敗が繰り返される危険もあります。標準設計は設計者が組織的に設計にとりくみうるし、設計に対して研究的態度で十分時間とエネルギーを使うことができます。標準設計の繰返し住用によって、たえず欠陥が修正され、すぐれた設計に練り上げられていきます。
大規模の設計組織、例えば公的住宅についていうなら住宅公団や有力な地方自治体は豊富な技術スタッフを擁しており、自ら設計を開発する能力は高い。しかし、小規模設計組織しか持たない地方自治体等はそうではありません。標準設計は、たとえ技術能力の低い機関でも、高い水準の技術の通用を可能にします。また、設計の質水準を全国的に揃えることもその役割の一つです。
設計手間の軽減に効果があります。同じタイプの建築を数多く建設する場合、もし1回ごとに設計するとしたら、それに払わなければならないエネルギーは膨大であり、それはコスト高をおさえようとすると実際上不可能に近い。標準設計は設計そのものを量産することで、設計手間を著しく軽減しています。非住宅建築の分野で巨大な建築量をかかえる機関において標準設計を採用するのは、仕事量に対する要員の不足からする設計手間の節減の意味が強い。
標準設計は、もともと同じタイプの建築を量産するところに本当の意義があります。近年になってようやく量産工法が開発され利用されはじめたとはいうものの、大部分はまだ在来工法によっています。在来的な生産体制のなかでは、標準設計も生産上には一般設計とさして異なるところなく機能しているにすぎません。しかし、地域別に分散した少量の建設が支配的な現状では、設計のみの標準化にも十分意味があります。今後住宅生産が、仮に部品、構成材とその組立てといった形態になるとすれば、標準設計の役割も新しくなろうし、それには、ひとり建築設計の標準化のみならず、部品、仕様、積算、工事監理、検査等、建築生産のプロセス全体にわたる体系的な標準化が伴われねばなりません。
適切な型計画によって、生活の向上を誘導することができます。その好適な例がダイニングキッチンです。庶民住宅の住み方調査から見いだされた食寝分離の法則にのっとって、会事室の独立が主張され、平面計画の原理にはじめてとり入れられたのは、住宅営団住宅でしたが、それが台所との組合せとして実現したのは戦後の公務員住宅においてでした。この形式はやがて公団住宅にとり入れられて急速に普及し、椅子座を住生活に持ち込むのに大きな力となりました。

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