住宅の型計画

不特定で大量の居住者に対する住宅供給は、個々の居住者に適合した特定の住宅を与えるのではなく、居住者集団を住宅の需要に関して類型化し、それに相応する住宅の型を用意する型計画の方法をとるのがよいとされます。型計画の方法論は西山夘三によって提唱され、住宅営団で具体的な型計画の系列として提案されましたが、当時の事情がその実施を許さず、昭和30年発足した住宅公団による住宅大量建設、供給を基盤としてようやく本格杓な適用と展開をみました。型計画の方法はひとつづきのプロセスをもっています。まず、住宅に要求される基礎条件の探求に始まり、居住方式の定立、計画基準と型規定、標準案の作成、規格設計の作成と進む。このプロセスは型計画を論埋的・抽象的に考察した場合の一つの理念であり、型計画がいちおう定着している今日では、必ずしもこの通り行なわれるわけではありません。

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間取り

居住者全体の住生活の改革は、住居に関する過去の制度、居住慣習など社会的、経済的条件と密接な関係をもち、基本的には国の住居政策によって規定されます。このため、型計画をすすめるにあたっては、住宅に対する諸条件の探求と組織化が重要な研究課題となります。それらは、国民的住居水準の過去の遺産と現況、特に住居状態を規定する政治的、経済的条件、気侯的条件、建築構造、材料的条件、生活様式、居住様式、居住慣習、住居観、これら全体に対する建築的解決などです。これらは住居の歴史的発展と現状の解明、住居に対する諸要求に対して、これまでどのような具体的解決がなされてきたかを明らかにすることによって現在の矛盾とその結果の方向をさぐることによって求められます。いわゆる住宅問題、住居観、住生活の研究などがこれにあたります。
基礎条件探究のうえにたって、実現を目標とする住居状態を規定し、居住方式を定立します。これらは、住居に対する国民的支出の限度の立案、資源、生産、施工条件に基づいた合理的な構造、設備、施工方法の確立、生活行動の総合的把握に基づく、住居における個々の生活方式の合理化と食生活様式の再編成、これらに対応する住居観、居住慣習の改革目標の設定、などです。
なかでも、その中心的課題である生活様式の基礎的な諸原則は、単に個々の住宅のみならず、居住地全体との関連でとらえねばなりません。例えば住宅内では住空間の分割、組織のために、採食方式、就寝、団らん方式、接客方式、家事作業方式、学習方式などが求められます。居住地では、その段階的空間構成と共同施設構成のため、居住者の様々な地域生活方式、交際、クラブ活動、家事作業の共同化等が必要とされます。しかも居住者の階層によって、現在の住様式の構造が異なる以上、これらの居住方式にもまた異なった構造があってしかるべきです。
定立された居住方式を実施するに当たっての諸条件を整理統合し、各種の要求類型に対応させた型解決に対して、とるべき限界条件を具体的に示したものです。計画基準のなかでも、最も重要なものは規模の規定です。それは規模の変化が住居の質的条件の変化をひきおこすこと、また規模が建築の経済的計画の最も重要な規定条件であるからです。規模は居住者全体に同じ居住方式を適用したとしても、家族構成が異なれば当然異なったものとなります。また、居住者の社会階層、職業、生活水準等の違いによって住居の要求が異なり、居住方式も異なる以上、これに応じて規模もまた変化せざるをえません。逆にいうと居住者をいくつかの集団に分類、集約すれば、それに対応した住宅の規模と質的条件をもつ共通の解決を見いだすことができ、住宅の種類を規定する条件は、住宅の規模および質的構成と居住者集団の構成との二つの座標軸の変化をもつこととなります。
型の数は住宅が土地に固定されて選択上制約があることから、できるだけ離通性のある少数の型の方が好ましい。しかしそれを基本的に規定するものは、需要構造、住宅市場形成の具体的条件です。

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