型計画基準案の作成

計画基準が具体的解決でない以上、つねにある範囲内への条件の指示限定にとどまり、また数ある規定間をきめるのに因難な場合が生じます。そこでこれらを具体的にあらわした各種条件の総合規定ともいうべき建集的解決が標準案です。標準案は計画基準の決定力の不足を眼に見える形で福いあらわすものですが、所与条件を完全に解決したものではありません。基準案と基準とはつねに繰り返して相互に検討されることにより、次第に完全な条件規定に高められていきます。型を明確に規定した計画基準に基づき、これに生産側の条件、材料、設術、施工等が加味され、具体的な規格設計をうる。なお建設地区の規模と需給構造が異なるため、これにともなう型分割と型配分、型の若干の変更が規格設計の段階でも考慮されわばならず、また、建設速度、建設量、個々の建設における特殊要求に応じて改善が加えられ、具体的な建設に応じた規格設計を見いだすことも重要です。

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間取り

型計画において、居住者集団をいくつがの類型に分け型によって解決をはかったのですが、ここで住宅の型種をどのように設定するかは重要な問題です。現実の住居に多種多様性をもたらしているのは、個々の居住者の家族構成、経済的能力、出身階層居住経歴、職業、地位、気分、趣味の差異です。しかし型の計画においては、これらの要素のあらゆる組合せからなる多様な型種を設定することは意味がありません。主要な要素を軸とした、単純な型系列に展開しておく必要があります。
要素の一つは居住者の住居に対する経済的能力、もう一つは家族構成です。住居の質は居住者の経済的能力に応じて変化しています。住宅経済が個々の住宅の経営採算を基礎として営まれているかぎり、住宅の質と経済的能力とは対応関係にあります。家族の規模、性格、構成は住居の必要規模を決定することはいうまでもありません。このようにして、住宅の種類を質の程度と家族構成との2軸で変化させます。
以上の考え方に基づいて、住宅営団では型手列がつくられました。正常な寝方と食べ方を居住方式として定め、それに基づいて家族の人数に対応して、1型から8型までの標準平画が作成されました。同様な考え方で、もっと余裕のある型として、食室、寝室のほかに集まり部屋、作業室をつけ加えた型系列が、戦後西山夘三によって提案されています。住宅営団の型系列も戦後の提案もそのままの形では実現に至りませんでしたが、公団住宅の基準設計の型形成に大きな影響を与えました。
型系列は、一つの居住方式を前提とした家族人員とその構成に対応する規模系列として設定されたのですが、これは本来大きな矛盾をはらんでいました。家族型に適合する住宅型の供給は、理念としてはありえても、現実の社会にはそれを実現するのになんらの保証もないのです。家族の型に住宅の型を対応させるためには、それぞれの型への入居を厳格に規制し、家族型が変化すれば住みかえさせ、家賃が負担能力を超えるならば補助するなどの総合的な住宅政策によって裏打ちされていなければなりません。現実には、住宅規模に対応するのは家賃であり、家賃の一定倍数の月収をもって入居資格としています。つまり、型系列に対応するのは居住者の家族人員やその構成ではなく、経済的負担能力なのです。わずかに公営住宅において、収入の上限を設けて政策的に高収入者の入居を防いではいますが、これとても家族型との積極的な対応を意図しているわけではありません。このような矛盾が当然予期されながら、あえて型系列が提起された理由はどこにあったのでしょうか。それは家族型に対応した住宅型が、現実に供給できると考えられたのではなく、ある居住方式のもとで特定の人数と構成をもつ家族には、住み方の法則から割り出して最低これだけの規模、設備が必要だとする、技術者の立場からの主張だったのです。それは、当時の戦時体制が強制する住居水準の切下げの圧力に抵抗するための政策的な意図を含んでいたと理解されます。したがって、戦後の公営、公団住宅において、前提的な政策の裏付けなしに型計画の適用がなされたとき、矛盾がただちに露呈したのは至極当然のことでした。今日、この矛盾はますます拡大する傾向にあります。現在の案件下で、もし型糸列を設定するとすれば、その供給、経営主体の性格によって若干の変化はあるでしょうが大局的にはそれは居住者の階層、特に所得階層に対応させるものしかつくりえません。

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