建築での標準化の特質

標準化は、近代産業の発展によってもたらされました。各種機械器具が、開発、生産されましたが、それらが各産業ばらばらで同種の機械でも、製作される工場によって部品の寸法が異なるという不便な状態が続きました。これがやがて、ネジ寸法の標準化をきっかけとして、機械部品の標準寸法の設定に進み、機械の多量生産、さらに互換式生産へと発展していきました。現在では標準化は、しばしば単純化、専門化とともに3Sと称せられ、工業生産の基本とされています。標準化の最大の目的が、量産化による生産性の向上にあるのはいうまでもありませんが、そればかりではなく、一定の品質の維持によって、消費者保護を目的とするもの、技術的安全性の確保を目的とするもの、取引の安全性の確保を目的とするものがあります。建築の場合は、これらのいずれの目的をも合わせ持っています。つまり標準化によって、まず第1に設計手間を軽減し、量産化を通じてコストダウンをはかる目的があり、第2に設計密度を向上して設計品質を高め、一定水準の住生活を確保しようとします。第3には、建築基準法や構造計算基準等の形で安全基準を定めています。第4には建築材料の部品における規格によって取引の安全をはかっています。

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建築には他の生産品にはみられない特質があり、標準化をかなり特殊なものとしています。生産が十分に近代工業的形態ではなく、建築の生産物としての性格は一品性が強く、地域的に分散しており、スケールが大きく、内容は複雑であること、しかもそれがかなり手工業的な生産形態で生産されています。こういう建築の特質は、標準化をやりにくくさせているのですが、特に建築という物の生産段階での標準化はきわめて難しい。そこで物に代わるものとして、設計の標準化が行なわれているのです。また、多様なプロジェクトに対応するには、設計の標準化だけでは不十分なので、すべてのプロジェクトを共通におおう法令や基準を設定して、標準化の手段として用いています。生産は体系的な機械組織に依存するのではないため、生産プロセスについても仕様、基準、要領の形で、方法や手続を細かく標準化していかなければなりません。つまり、建築においては、標準化は設計から生産にいたる全過程にわたって、体系的に仕組まれている必要があるのです。これが、一方では標準への安易なよりかかりによる惰性的で硬直した設計を生み、他方では標準化への反撥と、自由設計ヘの傾斜に向かわせる一囚をなしています。
標準化体系のうち、標準設計がとくにクローズアップされるのは、以上に述べた理由から、建築においては、設計が標準化の主要な手段であり、標準化の内容が、いくつかの数量的指標のみではあらわせない複雑な内容をもっているためです。しかしながら、建築の工業化は建築を部材、部品に分解し、それの工場生産と現場での組立てという形態に変わっていきつつあります。そうなると、部材、部品は他の工業製品と同様に物そのものの標準化が容易となるわけで、標準設計の役割はそれだけ後退せざるをえなくなります。

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