建築標準化の体系

建築標準化の体系を住宅に関してはは最も整備していると思われる住宅公団の場合を例にとって説明すると、設計段階においては、まず標準設計の前提となる基礎的、共通的な設計方針、基準を示すものとして設計要領があります。また、図面で表現しきれない設計内容を記述した共通仕様書、建築の部分詳細を標準化したものとして、標準詳細図があります。これらのものは、標準設計をつくりだし機能させるためには欠くことができません。住宅公団の場合、設計要領は、建築、衛生、電気、造園、土木等のそれぞれについて作成されています。設計段階における標準化のための図書という意味で、設計要領、共通仕様書、標準詳細図をすべて含めて、広義の標準設計と称することは許されます。ついで、生度段階における標準化があります。規格部品は、発注者の設計段階を経ることなく、部品生産者から施工段階に持ち込まれます。規格部品は、設計のうえではもちろんのことですが、全て物の形に標準化されてしまっています。監督要領は監督業務の標準を示すものであって、住宅の施工品質を一定に確保するための監理の水準と方法を規定しています。このように、標準化は設計段階および施工段階を通じて、一つの体糸をなしています。したがって、例えば在来工法から大型PC板工法に標準設計をきりかえようとする場合、単に標準設計のみを変えればよいのではなく、ここにあげた標準のすべてが影響を受け、改訂を求められます。これは標準設計を利用しているいずれの事業主体でも、整備の程度はまちまちではありますが、こうした標準化の体系を構成しています。

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間取り

設計要領は共通的な設計の方針、基準となる事項を規定しています。建築、給排水、電気、水道、下水道、造園、団地などについてそれぞれ設計要領があります。住宅設計要領を例にとって内容をみてみると、住宅の規格、住戸専用部分の設計、共用部分の設計、短計および各部詳細、仕上、建物廻りの項目からなっており、各々について一般事項、規模、寸法、その他に分けて詳細に設計内容をきめています。例えば就寝室については実例として下に掲げたように書かれています。営団住宅、公営住宅の設計基準が原則の規定であったのに比べると、はるかに具体的で詳細です。
共通仕様書は設計図害のなかに仕様書が含まれるのは建築設計において一般的ですが、公団の標準設計に対しては共通仕様書が全支所共通に仕様をきめています。支所ごとには特別共通仕様書があり、共通仕様書の読み替えと材料指定および業者を主な内容としています。さらに、プロジェクトごとには特記仕様書があります。なお、設計図書の優先順序は、次の通りです。
1.現場説明書
2.特記仕様書
3.設計図
4.公団住宅共通詳細設計図または建築工事標準詳細図
5.特別共通仕様書
6.共通仕様書
工事監督要領、検査要領、監理要領、工事監督業務および工事検査の基準を示すものとして、工事監督要領、工事監督事務処理要領、工事検査要領があります。その後、建築工事費の増大、労務事情の悪化、技術者の質の低下等によって監督業務が過重になってきたので、重点的な監理を行なわざるをえなくなりました。そこで必要最小限の工事確認、立合いのあり方を指示するものとして、工事監理要領が作成されました。
公団発足当時の事情から、公団住宅の設計は、公営住宅や公務員住宅など様々な系統をひいていました。したがって、詳細もおのずから多種多様であり、それがために現場で混乱を起こすこともありました。そこで、標準詳細の統一が行なわれることになり、標準詳細図集が編集され、昭和32〜33年の設計図から実用化されました。39年度からは、これが公共住宅詳細図集に衣がえして、公営、公庫、協会の公共住宅について全国共通に使用されています。

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