量産住宅の発展

詳細設計の標準化は、部品の規格化に発展していったのですが、建築全体の標準設計も同様に量産化の形態に進むのも、いわば当然のなりゆきでした。量産住宅の試みは、古くから繰り返し行なわれてきましたが、需要案件、生産環境もともに未成熱のため成功しませんでした。量産住宅が実用化され、在来工法との競合関係にたちはじめたのは、次にのべる公団ティルトアップ工法以降とみられます。公団住宅の量産化への開発努力は、まずプレキャストコンクリート板組立工法のテラスハウスへの適用に向けられた。建築躯体をルームサイズのパネルに分解し、これを現場内で水平打ちで生産し、これらパネルをクレーンで建て起こして組み立てる方式です。ティルトアップ工法と称されています。量産公営住宅が企画されたのは、時期的には公団よりも少し後です。昭和36年末から37年にかけての半年あまりの短期間に設計施工の技術的検討がなされ、建設省住宅局、建築研究所および量産公共住宅推進協議会の三者の共同で試作設計が37年10月に完成しました。量産設計をすすめるに当たって一つの焦点となった問題は、規格化にありました。というのは、公営住宅は全国の総建設戸数は多いから量産効果は大きいかにみえますが地域的に広くちらばっているので地域性を考慮すると、一つのタイプの戸数はごく少なくなります。しかし、量産住宅はできるだけタイプ数は少ない方がよいので、設計上のフレキシビリティが求められるのです。

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モデュールは木材、ボード類の市場寸法に合わせて経済性をはかる立場から、90cmが採用されました。90cmモデュールは小さすぎるとかねてから指摘されていましたが、同潤会住宅においてすでにメートル整数制が提唱され、試作居住されたのですが、数十年後の今日まだこのような状態にあるのは、経済的理由からとはいえ、はなはだ残念なことです。量産住宅の建築費を在来工法と同程度におさめたいという性急な態度が、せっかくの量産住宅を矮小化しているといえます。
昭和35年頃から建築生産近代化の機運がようやくきざしてきました。37年には建設省に建築生産近代化促進協議会が設立され、この方向の政策推進の態勢を準備しましたが、同じ年、日本住宅公団は建設合理化に関する要綱を制定して、量産建設の研究と実用化に本格的に踏出すことになりました。これにより開発の実績をあげたものの一つが、メタルフォーム工法であり、他の一つが大型プレキャストコンクリート板組立工法です。
公営量産住宅は、昭和42年度にはじめて中層耐火の標準設計が作成されました。つづいて43年度にはプレハブ建築協会が建設省から設計委託を受け、委員会を設けて、設計作業が進められました。平面計画については委員の公営住宅事業主体や建設業者等から種々の案を求め、その中から工業化工法に適したものが選ばれました。将来の規模増や第2種公営住宅との部品の互換性を考えて、寸法系列の組合せから平面系列が作成されました。
住宅および部品が各種の公共、民間住宅において、開発、普及するにともない、寸法や品質の規格化、標準化が政策的に進められる必要がでてきました。住宅建設の工業化に関する政府関係機関の連絡機関として、建設省住宅局に設けられた、住宅建設工業化推進連絡会議のなかに標準化部会があります。そこでは、設計の標準化を図ることを目的として、基本寸法、設計詳細、仕様、部品の規格に関する協議を行なっています。

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