技術過程と経営過程の特徴

建売住宅、分譲住宅経営は諸機能の結合によって成立していますが、各機能は企業のタイプ、規模等によって異なり、機能分化したものから未分化のものまで含んでいます。設計機能についても、経営組織との関係および業務の内容は、経営規模、開発単位規模、出身等によって、次のような形態、内容を持つタイプが存在しています。敷地と予算のみが経営者から提示され、企画の一部をも含めて、設計事務所に外注される場合。プランは経営者あるいは従業員が描きますが、製図能力の低さ、および建築確認申請業務のわずらわしさのため設計事務所に外注する場合。設計および確認申請業務の増加することによって、専門の技術者、建築士を内部にもつ場合。施工機能のタイプを分類すると次のようになります。建設業一般の特徴である元請、下請を軸にした重層、分業的な生産機構は建売住宅、分譲住宅の施工の場合でもみられますが、見込生産の条件を生かし、生産に当たる必要機能の大半を組織内に含むものが存在します。これは、大規模な専業者にみられるタイプです。現場で直接生産に当たる各種職人を直傭とし、数人単位でチームを編成し、各チームごとに監督を置ます。技能労働者の不足をカバーするために、工法の標準化をはかり、作業内容の統合、単純化を目指しています。経営組織内には、現場の監督、指揮にあたり、ある場合には労務供給の役割を果たす者を直傭するのみで、工事は職種別に下請に出しています。この形態は、関係業種からの出身者が多く、それ以外の業者でこの形態をとっているものは、建売経営をはじめてからかなり年数を経たものにみられます。そして一括下請の形態があります。この形態をとる業者には二つのタイプが存在します。一つは関係業種ではない大資本系の場合、設計機能を持つのみで施工は元請業者に一括下請させます。場合によっては工事監理機能を持つ場合があります。もう一つは、零細な業者、個人的経営者の場合、指揮、監督能力のあるものを経営内に持ちえないため、小さい元請業者に一括下請けさせます。

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間取り

建売住宅、分譲住宅の経営のポイントとして主に用地取得の問題、利潤を上げる部分の問題があり、それらは相互に関連しあう問題ですが、開発の規模によってポイントが異なります。
大規模開発の場合、経営地の規模によって経営の原理は異なります。それは現象的には、団地内施設の整備度と、立地条件、特に都心からの距離にあらわれます。約50ha以上、人口1万人以上の場合は日常生活圏を独立的に構成する住宅地として、小学校を必然的にもたざるをえず、その他多くの生活関連施設をともないます。この場合、立地条件は都心から遠く、住宅地としての環境条件の害無に等しい場所が選ばれます。それは、関東では都心から40km圏、関西では20〜30km圏に位置します。経済的問題を集中的に表現するのは価格現象ですが、土地の買収価格の低さが、このような大規模団地経営の要点となっています。地主から購入される土地は、土地市場において相対的に宅地価格以前の農地、または山林地の価格として購入されます。宅地として土地が商品価値をもつ以前に大量に買収されます。地主から買収した価格と、購買者に販売する価格の差額の総額によって、大規模化にともなう必要施設の建設費がまかなわれます。また、逆にみれば、遠隔地であり、既成市街地の施設がないために、当初から購入者を引きつけるだけの魅力ある施設水準をもつ団地を形成しなければならないともいえます。
大現模経営地の経営のメカニズムの上で、もう一つの特色は、土地付住宅が分譲された後も、経営が存続することです。つまり、団地内関連施設の総合的、多角的経営です。大規模団地の経営は、土地と住宅の分譲時の収益に加えて、長期にわたる住宅地経営による総合収益が得られる利点があります。
中小規模開発の場合、一部の専業者や、大資本による郊外の大規模開発を除くと、現在の建売住宅、分譲住宅経営の特色はむしろ、その中小規模、あるいは零細性にあります。中規模経営地は、およそ1〜10haの開発面積で、戸数は100〜500戸位に分布しています。小規模経営地は、1ha以下です。中小規模経営地は、大規模経営地のような生活利便施設面での自己完結的な体制をもたないために、また持つ必要がないために、立地上、より既成市街地に近接した位置、あるいは、よく似た性格の経営地が隣接することを特徴とします。中小規模経営地の場合、例えば水道管の建設費節約のため、このような現象がおこると考えられます。
建売住宅、分譲住宅の取引活動において割賦販売の占める地位はますます大きくなっています。9割以上の業者が住宅ローンという住宅資金融資のシステムをとっており、その方法は、頭金式の住宅ローンです。これは、利用者側からみれば、すぐに利用できて、分譲会社から金融機関の世話をしてもらい、その金融機関に代金の一部を建売、分譲会社に立て替えてもらうという利点があります。建売、分譲住宅会社の側からみると、資本をねかせる必要がなく、幅広い需要者を対象に営業できることになる。金融機関側からみると、建売、分譲住宅会社を保証人にたてさせるので資金の取り立てが安全で、住宅ローンを通して建売、分譲住宅会社と需要者の双方を得意にできる。このように三者にそれぞれの利点があります。融資制度をもたない少数の業者は、販売する住宅のでき具合に自信をもっており、即金で売るケースが多い。販売を促進する手段として割賦販売制度が採用される以外に、経営のマーケットシェアを拡大するために広告が行なわれます。

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