鉄筋コンクリート分譲アパート

郊外低層建売住宅、分譲住宅と都市内鉄筋コンクリート分譲アパートの経営の実体的な性格の違いは次の諸点に要約されます。
立地条件、地理的位置の有利性を比較した場合、前者は主に郊外であるため、緑、太陽、空気の自然的な条件において有利であり、後者は通勤時間が非常に短縮される有利性をもっています。
建築形式、前者は低層の土地付住宅で主に木造、あるいは鉄骨系、木質系のプレハブです。後者は、中高層のRCフラット形式の住宅で、その所有方式は区分所有になります。
価格、上記の条件によって、結果として、価格は後者の方が前者よりも高い。
需要側からみると立地条件と建築形式の条件は、生活様式に反映し、前者は一般的には郊外田園的環境に恵まれる条件をもち、後者は合理的都市生活を営む条件を持ちます。本質的な性格は、郊外低層建売住宅、分譲住宅の場合とほとんど同じですが、宅地、住宅の集合的性格の点で異なります。建売住宅、分譲住宅経営における宅地の集団的性格は、いいがえれば、建物の一地区への集合化であり、これが水平的なひろがりの面で行なわれているのが、郊外低層型の建売住宅、分譲住宅であり、土地の高度利用の観点から、垂直的方向に集合化され、つまり共同住宅化されたのが、フラット形式の都市内中高層型建売住宅、分譲住宅です。この性格を反映して、都市内中高層鉄筋コンクリート型の建売住宅、分譲住宅は、一般に分譲アパートとよばれています。商品名としては、マンション、コーポ、コーポラス、アビタシオン、レジデンス、メイゾン、シャトー、ビアンカ、ビラ、エアハイツ等の名で呼ばれており、これらは新しい居住形態を売り出すためにはアパートという従来の用語では不適当であると考え、業者がつくり出した用語です。

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間取り

都市内鉄筋コンクリート分譲アパートが経営的に成長し、かつかなり広い普及をみるには、住宅市場における一定の需給関係の変化が存在します。郊外建売、分譲住宅経営の発展にともなって、その需要の一部分が都市内鉄筋コンクリート分譲アパートへ移行する客観的条件があらわれてきます。また、地価高騰の現象などがからんで、経営環境条件が変化してきます。その因果関係を明らかにすために、都市内鉄筋コンクリート分譲アパートの発生と経過をたどってみると、この種の分譲住宅は、まず昭和29年に住宅金融公庫の融資によって建設され、ついで住宅公団の手によって建設されました。民間では,昭和31年に東京、四ッ谷に建てられたのが始まりです。そして、昭和37年頃から増えはじめ、オリンピック景気といわれた昭和39年に一つのピークの時点がありました。この時期の都市内鉄筋コンクリート分譲住宅は、赤坂、麻布、麹町、市ケ谷、原宿、青山など東京の旧市内の高級住宅地に多く建設され、大都市東京だけにみられる特有の現象でした。分譲価格は700万円から800万円以上の高額で、需要層も大企業の重役、芸能人、一流文化人などの年収500万円以上のごく限られた層でした。その後、このような特定の需要層をねらった分譲住宅経営は急激に下降線をたどり、マンションブームの時期が終わりました。
ところが,昭和42年から急速に建設量が増加しはじめました。郊外建売住宅、分譲住宅経営の国有の条件、土地を安く入手するため、漸次都心から遠隔化することからくる必然的結果として需要者にとってはますます通勤時間の延長を余儀なくさせられる事態が進みつつありました。特に多忙な職業をもつサラリーマンにとっては、通勤時間および通勤費が限界を越えるようになります。地価の高騰によって、支出可能な分譲価格の住宅はますます遠隔化することから、都心に近くて交通の便利なところの住宅が望まれるようになりました。しかし、いかに都市内住宅の地理的位置の有利性が通勤時間のうえから認められようとも、需要に見合う価格で供給されなければ需要は顕在化しません。このような条件のもとで、都市内鉄筋コンクリート分譲アパートと郊外低層建売住宅、分譲住宅のそれぞれの代表的な専業者、彼らは建売住宅、分譲住宅の需要動向が、立地要因と価格要因に傾斜していることを鋭い経営的センスで察知し、昭和41年から42年にかけて300万円から400万円の分譲アパートを供給するに至ります。これが需要側の大きな支持をうけるとみるや、同業者がこの価格の分譲アパート経営に参加したわけです。
需要層を拡大するためには、価格面で制約されます。それは立地条件と設備条件の変化となってあらわれます。環状線の内部から外側に進出するものが増え、さらに、区部だけではなくその外辺部にも多く立地するようになっていました。

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