住宅市場

建売住宅、分譲住宅経営が住宅市場においてかなりの比重をもつ現象は、現在では世界的事象になりつつあります。住宅投資という経済行為の特質からみても、資金回収の速さや管理業務のやさしさなどの点から賃貸住宅より分譲住宅の方が選ばれやすく、財政的理由にもとづき国際的な持家化傾向があることは否定できません。アメリカでは、建設される住宅の大半がいわゆる建売業者による建売住宅であり、公的なコントロールがかなりゆきとどいているフランスでも標準家賃住宅協同組合で2割以上の分譲住宅が供給されており、イタリアでは民間建設が8割をしめ、建売住宅が盛んであることなどの事実から、それは十分に想像されます。日本においても、住宅経営の主体が民間に依拠する方向性をますます強めるなかで、民間による郊外低層建売住宅、分譲住宅の経営は、この数年間の成長の過程から、高原状態にさしかかろうとしており、都市内鉄筋コンクリート分譲アパートの経営は、形成期から活動期にさしかかっています。

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間取り

現在まで、各種の経営の結果生じた経営地のうち低質なものの占める比率はかなり大きく、低家賃住宅の供給の圧倒的な不足のため、持家の持てない層にまで持たざるをえなくさせている点で、それ自体住宅政策上非常に大きな問題ですが、住宅経営上の意義、建売住宅、分譲住宅経営の機能である企業自らが企画し、生産し、販売することは、今後の日本の住宅経営、生産において、継承されていきます。建売住宅、分譲住宅の経営、生産面の主要な特徴を、生産者優位の原理におくならば、その市場を拡大し、その価格を着実に低下させていく合理的、近代的な一つの産業に成長する可能性をもつと考えられます。
第1に、三つの層に分けられた現在の業者構成は、ここ当分は、存続すると考えられますが、郊外低層建売住宅、分譲住宅と、都市内鉄筋コンクリート分譲アパートの平行的発展の過程で、一方に専業者と大手業者がますます安定した経営基礎を築き、他方に不安定な臨時的、生業的業者が繰り返しあらわれ、これらの中間には、関連業種からの出身業者が経営環境の変動に流動的に対応していくことが予想されます。
第2に、生産、建設の合理化の問題があります。今後の厳しい企業間の淘汰現象において、住宅を生産、建設することにおける技術および組織のあり方が問われてきます。今後の一つの特徴として、郊外大団地の量産、近郊住宅地の独立建住宅の供給、市街地の中高層プレハブ化などプレハブ住宅の進出にともなう大量生産、建設のメリットをより生かす態勢がつくられます。
第3に、企画機能の高度化と重要性が増していきます。土地取得の方法において、地価の高騰にともなう対策が講じられねばならなくなり、郊外における協同経営による開発や、都市内においても共同化によって、土地の所有権には触れずに借地権、借家権によって、経営をすすめることなどが、全画業務の一つとして重視されるようになります。また、もう一つ重要な点は、住宅の需要者側の選択時代に入ることによって、業者は慎重なマーケット調査にもとづいて、需要者の動向にそった質、規模、立地、価格の住宅を供給することを迫られます。
第4に、多くの建売住宅、分譲住宅供給の継続は、同時に、流通の合理化の問題を生じさせます。住宅取得行動において、自分の好みや予算に応じて選択購入できるような必要情報の入手、およぴ、中古の住宅と新築住宅の買い換えなどの必要性は、供給者と需要者の結びつきを完全市場下におくことを要請し、住宅の流通機構の整備および、転売市場が確立されることが問題になります。
第5に、管理的問題として、今まで極度に高密度な低質な住宅がつくられた経営地では、居住後数年にしてスラム化していきます。しかし、この種の経営地の管理は当初から業者の手からはなれており、居住者のぎりぎりの自主的管理に委ねられているのです。今後、行政体による住宅地管理の必要性が大きくなります。
第6に、政策的問題として、建売住宅、分譲住宅への長期低利の融資が大量に行なわれるか、またはそれにかわる抵当融資保険制度が行なわれることが要請されます。この条件が不備である限り、良質で適切な価格の住宅が国民の広い層に普及することになりません。

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