民間宅地経営と住宅問題

戦前、戦後を通じて住宅問題の解決は、民間に依存して進められてきました。たしかに戦前における公益住宅、住宅組合法による融資、同潤会によるアパート経営、戦後における住宅金融公庫、公営住宅、日本住宅公団、地方住宅供給公社等の発足にみられるように、政府の住宅政策も皆無ではありませんでしたが、やはり大半は、民間の自力建設に待つ型であったことは、実績が証明しています。これら住宅対策と表裏一体をなす宅地政策に関しては、住宅問題以上に深刻であり、大都市における住宅問題を一層根深いものとしています。したがって宅地問題の解決が前提であり、その根本は、需給のアンバランスを解消していくことです。需要を鎮めるに足るだけの優良かつ低廉な宅地を大量に供給していくことが先決であると考えられます。一部には、宅地の大量供給は、素地需要を増し、地価高騰を招くだけだとする意見もありますが、現在の都市集中エネルギーを冷静に評価するならば、現状の供給量にとどまった場合の方が、はるかに地価上昇を招くであろうことは容易に理解されます。こうした観点からの強力な政策が進められなければなりません。

スポンサーリンク
間取り

宅地問題において民間の占める役割はまことに大きいものがあることは、いまさら多言を要しませんが。当然、民間宅地造成事業の社会的意義も認識されます。しかし、現実の施策は必ずしもそうした方向に進んでいるとはいえず、公的機関における宅造事業に対しては種々の優遇措置がとられていますが、民間宅造事業に対しては、住宅地造成事業法、税制、農地転用規制、公共施設負担等厳しい規制があるのみで、具体的な助成措置がとられていないのが実情です。この公的機関と民間事業と の条件格差が、地価の混乱の一因となっていることは既成の事実であり、低廉かつ優良な宅地供給を確保するために、民間宅造事業に対しても適切な助成誘導政策が望まれます。財政投資と民間資本の効率的な運用を図る意味からも、肝要と思われます。
今日までの議論における民間宅造事業の評価は概して低く、宅造業者こそ地価つり上げの急先鋒であり、郊外スプロールの元凶であるとするものが多かった。宅地造成事業の場合、用地の取得価格と処分価格の間に相当の開きが出てきますが、この価格の開きには、時間の経過による地価上昇分ももちろん含まれていますが、公共減歩分と造成工事による価値の増加分が含まれています。これが第三者には地価のつり上げとして映るわけですが、問題は、処分価格がただちに周辺地価に波及し、結果的には地価が上昇する点にあります。これは公的宅造においても同様です。また、郊外スプロールの問題にしてもこうした批判を受ける余地があったことは否定できませんが、それ以上に、ほとんど無制限にどこにでも住宅を建てることのできる日本においては、一般個人住宅によるスプロールが大きい。このような事態を招いたのは、住宅地を適切に誘導すぺき土地利用計画の不在と道路、排水路等に対する公共投資の遅れが原因です。特に昭和33年に首都圏整備計画において策定されたグリーンベルト構想は、都市集中エネルギーの評価を誤り、スプロールを逆に助長する結果となっていました。この計画は昭和42年に改訂されましたが、これなどは、経済発達の鈍化したイギリスにおける都市計画手法を、経済の高度成長期にあり土地所有形態等種々の条件の異なる日本へそのまま移入したことによる欠陥といえます。

間取り
建売住宅と分譲住宅/ 建売住宅と分譲住宅の意義/ 住宅経営と生産機構/ 技術過程と経営過程の特徴/ 鉄筋コンクリート分譲アパート/ 分譲アパート経営の特徴/ 住宅市場/ 民間宅地経営と住宅問題/ 田園都市/ 宅地経営の推移/ 宅地経営の特質/ 宅地開発適地の選定と用地の取得/ 宅地造成と商品化/ 郊外宅地開発/ 住宅経営の特質/ 住宅の特性/ 私鉄による住宅経営/ 大団地の出現/ 都市コミュニティ/ 大団地開発の効果/ 住宅管理の意義/ 近代的住宅管理/ 住宅管理と人間関係/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー