宅地造成と商品化

宅地造成の素材である用地取得の次の段階は、それに手を加えて快適な住宅地へ仕上げていくこと、つまり商品化の作業です。商品化の基本方向は、すでに開発適地の選定の段階において検討され、また、その地域的特性の制約を受けて決定されていなければなりません。したがって商品化の仕事は、その基本的な方向づけの枠のなかで、具体的に付加価値を実現していく作業が中心となります。法的規制、行政指導等に対応させながら、最適な売れる住宅地ヘ造りあげていくこと、事業者として自信をもって需要者に提供できる住宅地を造りあげていくこと、これが商品化業務の最大のポイントとなります。商品化業務の一部分を占める造成工事に関する計画は大別すると、街区計画と道路計画、排水計画、切盛土、擁壁設置等の整地計画、石積み、造園等宅地保全計画、公園、緑地等施設計画、消防水利計画、電気、ガス、水道等工事計画などに分けられます。

スポンサーリンク
間取り

造成設計のポイントは、技術的観点からの理想と、事業採算面からの工事費の制約のなかで、いかに安全かつ快適な住宅地を造っていくかにあるといえます。例えば丘陵地における造成に当たっては、土工量のバランスをどうとるかが、大きな問題です。いくつかの開発形態を想定して、有効宅地率、造成費用、居住性等について比較検討する必要があります。地区内での土工ですますか、搬出の必要があるか、その搬出先はあるか、石積み等擁壁工事量はどうなるか、販売価格にどう影響するか等、それらが費用と期間、さらに安全性との関連において比較検討されなければなりません。
商品化の基本は、快適な住宅地、売れる住宅地の造成にありますが、企業採算の面から、いかに付加価値を生みだしていくかということが大切になります。こうした面からも大団地化の傾向が最近の主流となっています。それは、単なる土地の切り売りから分譲地造りヘ、さらに、快適な居住環境をあらかじめ創り出していく街造りヘと進歩していきます。こうした土地を売るという感じよりも環境を売るという形の宅地経営へ脱皮していかなければなりません。
造成された宅地は、販売活動によって、個々の宅地訴要者の手に渡ります。宅造事業における附加価値を企業利潤として実現するのは、この販売活動を通じてです。その意味では最も重要な段階ですが、いかに販売活動が適切であっても、販売成績そのものを根本的に左右することは難しいと考える必要があり、ここへ到る高品化までの過程が適切に進められていることを前提としなければなりません。
分譲地販売の特質は、土地の個別性から、供給商品の個別性が強いこと、一方需要者側も購入を希望する商品について、個別性が強いことです。このきわめて強い両者の個別性を結びつけることの難しさがあり、それは、需要者の面前にいくつもの商品を並べて選択してもらうことが不可能であるという、物理的制約を伴っています。一方では団地規模の拡大、開発地点の増加にともなって大量販売を実現しなければなりません。
例えば同じ1,000万円の宅地であっても、所在地、交通条件が異なり、さらに面積の広狭、角地か否か、道路条件、日照条件等の相違によって、同じ1,000万円の購入資金を用意した需要者であっても購入に結びつかない場合があります。したがって、販売活動に当たっては、その商品は、需要者のどの階層に適合するものであるかを検討し、それによって最も効率的な販売方法をとっていかなければなりません。
一方で販売活動に従事する者には、個々の商品についての複雑な条件を十分理解し、それを顧客に十分説明でぎるだけの教育と訓練がほどこされていなければなりません。それと同時に、大量販売に応じた商品管理、顧客管理のシステムが確立されていなければなりません。こうして整備された販売力によって、大量販売と顧客に対する適切なサービスが可能となり、その結果として企業の信用力が培われていくことになります。作為的でないにしろ、一つの不信行為も企業全体の信用に大きく影響します。あくまでも購入者の立場に立った販売活動を心掛けていかなければなりません。

間取り
建売住宅と分譲住宅/ 建売住宅と分譲住宅の意義/ 住宅経営と生産機構/ 技術過程と経営過程の特徴/ 鉄筋コンクリート分譲アパート/ 分譲アパート経営の特徴/ 住宅市場/ 民間宅地経営と住宅問題/ 田園都市/ 宅地経営の推移/ 宅地経営の特質/ 宅地開発適地の選定と用地の取得/ 宅地造成と商品化/ 郊外宅地開発/ 住宅経営の特質/ 住宅の特性/ 私鉄による住宅経営/ 大団地の出現/ 都市コミュニティ/ 大団地開発の効果/ 住宅管理の意義/ 近代的住宅管理/ 住宅管理と人間関係/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー