郊外宅地開発

近年における都市化のテンポは、予想をはるかに超えるものですが、さらにこれが今後どう変化していくかということは、民間宅地経営にとって大きな影響をもっています。それにもかかわらず、この見通しを困難にしている一つの原因として、都市政策の不在をあげることができます。国土総合開発法を筆頭に、首都圏整備法、近畿圏整備法、中部圏開発整備法等広域開発に関するもの、新産業都市建設促進法、工業整備特別地域整備促進法といった拠点開発をねらいとするもの、各地方自治体独自の計画等、開発計画およびその対象地域が輻榛し、それらを貫く統一されたビジョンはく、国家の目標としての開発ビジョンを描き出すことが、まず第1に肝要です。さらに、開発ビジョンにもとづく具体的開発計画のプログラムを実現していく体制として、責任と権限の合理的配置にもとづく国の行政機能の一元化、広域行政制度の導入が必要であり、また、国と民間との分担、果たすべき義務を明らかにすべきです。両者の特徴を生かして協力体制のもとに計画を実現していかなければなりません。

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間取り

従来の実績からみても、都市問題、住宅問題の解決は公的機関のみでは不可能であり、民間の資金と技術、創意と意欲を活用しなければならないことは明白です。そして、民間ディベロッパーを単に規制するだけでなく、この開発ビジョンに適合するよう、適切な誘導措置、つまり育成策、助成策こそ必要であるといえます。
このプログラムの実現をはかるため、必要資金を確保しなければなりません。それぞれのプログラムに要する資金の負担区分を明確にするとともに、限られた財源をいかに有効に活用するか、地域配分、配分先について十分に検討し、総花化を防がなければなりません。また、民間資本の導入をはかるための呼ぴ水としての政策金融が必要です。これらのためには、広域財政制度の導入が必要です。
さらに、根本課題として、土地対策、地価対策を強化することが前提であり、開発利益の適正な配分、土地所有権に対する公共福祉の観点からの制約等の問題について、速かに決断を下すことが肝要です。
宅地開発の重要性については今後も変わらないでしょうが、その内容は大きく変化していくはずです。都市の形成、発展、都市政策の変化に対応した体制の整備が肝要です。単に宅地を造成するだけでなく、能率的かつ快適な生活環境を備えた住宅地を計画的に造成すること、街造りを進めなければなりません。
宅地問題の解決に当たっては、物価問題懇談会も指摘しているように、戦略的プロジェクトにより、宅地の大量供給が必要ですが、これを、すべて公的機関の手で行なうことは不可能です。むろん一民間企業の力ではなしえません。一つのプロジェクトを数社の民間企業の共同体によって完成していくとか、公的機関が用地を取得し、造成、販売は民間がやるとか、交通機関、公共施設等は公的機関が担当し、そのほかは民間が行なうとか、新たな開発方式を取り入れる必要があります。
次に大きな問題として、都市再開発との関連です。もし宅地経営を新規開発に限るならば、今後は既存住宅地の土地利用の合理化と都市機能の回復を目的とした再開発事業を加えた総合的宅地経営への脱皮がせまられます。現在すでに、郊外開発はほぽ通勤限界に達しています。一方で中間地帯には値上り期待の未利用地も多く、それらが供給に転じたとき、郊外化は限界に達します。また近年は分譲アパートの営業成績が好調ですが、これは通勤限界地における地価と都心部の地価との相対的な比較において、都心への還流現象が起きつつあると見ることもできます。一戸建住宅から集合住宅への居住様式の転換を象徴しているのかも知れません。いずれにしても今後再開発がどのような形で進められていくかを見通すことが重要な課題となってきます。
一方でモータリゼーションの普及と共に、現在のように鉄道交通に依存しない住宅地の関発も可能となるであろうし、いわゆるセカンドハウス需要も所得水準の向上とともに高まります。これらに対応して、単なる宅地造成業者からディベロッパーとしての事業体制と総合力が要請されます。また、不動産市場の流通機構を整備し、需要者への十分な情報提供を図らなければなりません。

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