住宅経営の特質

住宅経営の活動の基盤となる住宅市場は、一般の商品市場と本質的に異なるものがあります。人間の生活のなかで、住の問題は,食料や衣料とともに、主要な必須物です。住生活のなかで、特殊な場合、一時的な宿所を除いては、その中心は住宅によって与えられます。住宅は、食料や衣料が完全な短期的消費財であるのに対して、非常に長期な耐久消費財とみることができます。しかも住宅は必ず土地を必要としますが、この土地が建造物とは異なり、永久的な固定財であるため、賃貸借の形態をとる場合は例外として、本来土地とは切り離せない広義の住宅は消費財とはいえません。したがって住宅市場においては、他の商品とは異なり、消費支出としてではなく、投資の形で取引されるものです。この事実は住宅の価格を驚くほど高額に決定させ、しかも取引が成立することから十分に考察できるところです。現在の日本が直面している住宅用地の高騰を考えるとき、この住宅市場は、その投資的取引性格から、ほとんど土地市場と考えるべきです。住宅は本来ならば一世帯に一戸が基本となるため、急激な都市化現象とか、天災、戦争後の住宅不足などの特殊な事態を除いては、住宅市場はそれほど活発化するものではないと考えられます。しかし、住宅市場を投資的な土地市場と考えるときは、一世帯一住宅という基本的な需給関係の基盤は崩れてしまうため、相当に活発で、取益性の高い市場となるものです。しかも現在の日本のように、住宅数の絶対的不足と、個人所得の向上、物価上井からくるインフレーションの危機感などが加わって、住宅市場は社会問題化を危惧せしめるほど活発化しています。

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間取り

土地が自然の贈物であるということは、他の商品とは種々の点で相違が生じますが、経済的観点からの重要な特異性として、
土地の供給が固定されており変更できないということ。
土地の質および価値が、土地片ごとに等級づけられていること。
土地の等級づけはマクロ的な判断のもとでは十分に連続性を持つこと。
の3点です。土地の供給が固定されているということは、需要が増加すれば、その価格は必然的に高騰することになります。近年では建築家を中心にして人工土地についての提唱が行なわれていますが、これは少なくとも人工土地の建設費と実際地価との比較において、地価の方が十分に高価であるという地区に限る問題であるとともに、人工土地といっても永久性をもたないのみならず、人工土地を構築する底地の空間的価値の犠牲のなかでの議論であって、土地の供給の固定性を解決することはできないのです。したがって、土地の需要を相当以前に予測して入手してしまえば、これと同価値の土地は他からは全く供給できないので、独占的に収益をあげることができます。よって、この土地の稀少性を利用して収益をあげるためには、十分に以前から需要が予測できることと、長期にわたって土地を確保できる資金力を必要とすることになります。
次に土地に等級の差別があることは、一般の商品のそれとは根本的な相違があります。普通の商品に等級や質の差があるのは、需要者の嗜好の差異を満たすことを意図していますが、土地の等級に差のあることは、それが自然の生産物であるため当然のことであり、そのなかには経済的には全く無価値なものも含んでいます。土地の等級は農業におけるように、その土地本来の内在的肥沃度に依存している場合もありますが、住宅地、商業地、工業地のごとく立地の問題が重要な要因になる場合が多く、特に住宅地の場合には、そこに住む人の勤務先との相対的な位置づけによって、その価値が決められることが多く、その意味から市街地からの距離によって、その価値が決定されます。したがって、いわゆる市街地から,距離に比倒して,遠くなれはなるほど連続的に住宅地としての価値が低くなり、最低の住宅過用地、住宅地としての限界土地をその終極点とするわけですが、距離は時間距離に比例するのが普通であるため、地価の等価曲線は市街地を中心に同心円型でなく、星型を形成します。これは逆に考えれば、住宅地の価格は交通システムによって相当程度支配されることを表わしています。ある交通システムが成立していない、時点での限界住宅地は、交通システムの成立によって大きく移動してしまい、その結果、今まで限界外にあった住宅地として無価値な土地が住宅地として十分に成立することになります。そのうえ交通システムの成立によって、従来の限界外の土地を対象として意識的に開発をした場合は、その区域の地価は周辺の区域とともに、ある年月の後には市街地からの連続的な漸減のなかに含みこまれます。

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