住宅の特性

住宅は非常に長期な耐久消費材であるため、他の一般的な商品と異なって投資の形で取引がなされます。しかしながら、同じ投資的取引の対象高品である貴金属、宝石などと異なり、生活必需のものであるだけに、他の商品とは全く性格を異にしています。まず、住宅ば耐久的であるだけに、一般の消費財産業に比べて、他の資本設備の供給との結びつきが非常に重要になり、住宅環境を無視して供給することは不可能なことです。それが住宅供給者の手によって造り出されるものにとどまらず、いわゆる社会的資本との密接なつながりをも強く要求されます。したがって住宅供給をするものは、多くの場合、公共的な負担を好むと好まざるとにかかわらずその経営のなかで問題とせざるをえません。そこに住宅産業が大資本を背景にしなければならない一つの理由があります。

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間取り

人が住宅を求める基盤となる生活条件は、ひとりひとり異なっているばかりでなく、その人の生活様式は時とともにまた変化するものです。住宅供給者がある家族を想定して住宅を建築したとしても、どの需要者をも100%満足させることは不可能です。したがって、いわゆる建売と称する住宅供給形式は、供給業者の設計に妥協する需要者を見出すまで、相当長期に商品を寝かすことが多い。しかも住宅は長期的な耐久財とはいえ、木造住宅の場合には、需要者は、せいぜい次の世代へ渡すことを考える程度ですが、鉄筋建築となるとさらに長い世代の先まで考えながらその購入を決めるようになります。自己の世代の生活様式にも相当の変化が予想されるのに、2〜3世代の先までの生活を予測することは不可能に近く、買手がその住宅を気に入ったとしても当然そこに逡巡が生じるため、住宅は耐久性があればあるほど、短期の販売が困難です。したがって、この種の産業は中小企業では全く不可能であると見なければなりません。一方需要者側から見ても、永久性のある企業からの供給でなければ、商品の高度の耐久性から、当然不安がつきまとうわけで、ここにもまた大資本によらなければ成立しない要因が見出されます。
次に住宅経営は特殊な社会的義務を強制されます。住宅が不良であるということは、他の一般的な高品が粗悪であることとは比較にならぬほど大きな社会問題化します。食料または衣服の不良品が意起する問題は、特定の家族か、割合に小さな集団に影響する程度ですむ場合がほとんどですが、住宅の不良は近所全体に影響を及ぼし、公共の安全や衛生や道徳に関する問題が発生するのです。住宅経営はこのように重大な社会問題としての一面をもっているため、建築基準法をはじめ種々の法律の統制のもとに行なわれることを義務づけられます。
現在の日本の住宅経営の基盤が土地市場であり、その土地の価格を決定づけるものが、その立地です。つまり交通システムの変化であることにあります。地価増加分を生み出す原因となる交通システムの変化とは、鉄道、道路などの新設、改良はもちろん、バス、自家用車、自転車などの質の改良も含まれるものですが、最も住宅需要が多い大都市において、地価上昇を生み出す原因となる交通システムの変化は、なんといっても通勤のための大量輸送のシステムの変化が大部分です。つまり新線の建設はもちろんのこと、既設線における車両の増発、スピードアップ、車両の大型化などが土地市場を生み出す要囚であって、私鉄だけではなく、全ての住宅経営業はこのなかで成立してきていると考えられます。私鉄企業は大都市においての通勤交通の大半を受け待っているため、その変化による地価上昇を予測することは最も的確であるため、すべての私鉄企業は土地経営を兼業しており、非常に堅実な収益をあげているのです。
また住宅そのものは、他の一般商品と異なった種々の問題をかかえています。それらはすべて信用力の大きさと、資本力の大きさを要求するものです。私鉄企業は大きな資本力と、運賃という莫大な現金収入による資金力を背景にし、かつ鉄道業という公共的企業による信用力から、住宅経営については他に見られない強力な企業となっています。

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