建物取壊し請求

建物の建築により日照を妨害される場合には、被害者としては、建物が完成する前に気づくことが多いはずです。妨害に気づいた被害者は、完成する前に建築主側に工事の中止を求めたり、工事を中止しない建築主に対しては裁判所に建築工事差止めの仮処分の申請をすることによって、日照が妨害されるのを避けようとします。仮処分などで工事を差し止めることをしないでいたため、建物が完成してしまった場合に、日照妨害を理由に完成した建物の取壊しを求めることができるかどうかが問題となります。取壊しが認められるかどうかは、一般には、建築工事差止めの仮処分における受忍限度の判断要素を考慮したうえ、取壊しを認めた場合の被害者の利益と取壊しによって生じる建築主の不利益を比較衡量し、被害者の受ける日照の被害が取壊しを認めなければならない程度に受忍限度を超えているかどうかを判断して決定されます。受忍限度を超えていれば取壊しが認められますが、ほとんど取壊しが認められることはありません。
完成した建物を取壊すことは、通常建築主にとって重大な損失となり、取壊しを認められた場合の被害者の利益がその損失を上まわることはほとんど考えられないからです。特に中高層建物の場合には、その取壊しは、技術的に困難であり、また多大な費用が掛かることから、取壊しが認められる可能性はより少なくなります。
例外的に取壊しが認められるためには、受忍限度の各判断要素が被害者側に極めて有利であることはもちろん必要ですが、それだけでは不足で、その他に取壊しが経済的技術的に容易にでき、取壊しの対象となる部分の経済的機能的価値が低いなど建築主にとって取壊しによる損失が比較的軽微で、また建築主側に日照妨害の害意があり反社会性が顕著であるなどの特別な事情がなければなりません。

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