損害賠償請求の法的根拠

建物建築により日照を妨害され損害を被った場合には、建築主に対しその損害を賠償するように求めることができます。この損害賠償請求は、民法七〇九条、七一〇条の不法行為の規定に基づいて認められます。したがって、この請求が裁判所で認められるためには、不法行為の成立要件を充たさなければなりません。不法行為の成立要件には、損害の発生、故意または過失の存在、加害行為と損害との因果関係の存在、違法性の存在があります。
現実に損害の発生がなければ損害賠償請求は認められません。この場合の損害は、日照を妨害されたという事実だけでなく、その日照妨害の結果生じる具体的な財産的損害や身体的精神的損害のことです。

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建物建築により隣地の日照を妨害する場合に、建築主においてその妨害の事実を知っているのが普通であり、仮に知らなかったとしてもその事実を容易に知ることができるはずであり、少なくとも過失の存在は認められます。したがって日照妨害を理由とする損害賠償請求では、ほとんど故意または遇失の存在が間題になることはありません。建物建築と日影の発生との因果関係については、日影図などにより容易に把握できほとんど間題となることはありませんが、具体的な財産的損害や身体的精神的損害との因果関係についてはその証明が難しい場合があります。
損害の発生、故意、過失および因果関係の存在が認められても、加害行為が違法でなければ損害賠償請求は認められません。この違法性は、日照妨害によって被害者が受ける不利益の程度が受忍限度を超えているかどうかによって判断され、受忍限度を超えている場合に違法性があるということになります。この受忍限度を超えているかどうかは、様々な事情を総合して判断されます。この受忍限度の判断は、基本的には差止請求の場合と同じですが、実際には差止請求の場合よりも認められやすく、差止請求が認められないような場合でも損害賠償請求は認められるということが起こり得ます。
不法行為による損害賠償の請求は、被害者が損害および加害者を知ったときから三年間行わないと時効によって消滅することから、日照妨害にょる損害賠償請求の場合も、加害建物の完成により加害行為が終了すると考え、その完成のときから消滅時効が進行し、三年後に請求権は消滅するとの考え方があります。しかし日照の妨害は、加害建物が存続している間、継続的に発生するものであることから、加害建物の完成により加害行為は終了すると考えるべきではなく、終了しないとの考え方によれば、加害建物の完成によっては消滅時効は進行せず、加害建物が存続するかぎり完成から三年経過した後も損害賠償の請求ができることになります。

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