建築工事の妨害禁止

日照阻害を理由に、建築工事を妨害されることがあります。個人での妨害もありますが、近隣住民が被害者同盟のような団体を結成して住民運動として集団で妨害することが多いようです。この妨害は、坐り込みや障害物を置いたりして実力で工事用車両の工事現場への立入りを阻止したり、建築主側の名誉を毀損するような虚偽の事実を記載した看板を掲示したりビラを配布したりしてなされます。このような妨害を受けている場合や、受ける恐れがある場合に、妨害を排除したり予防して、建築工事を円滑に行うための方法として、裁判所へ建築工事妨害禁止の仮処分の申請をする方法があります。

スポンサード リンク
間取り

建築工事妨害禁止の仮処分は、妨害行為をする者に対し、建築主側が行う建築工事を実力で妨害してはならないなどと命じるもので、この仮処分を得ることによって妨害行為を排除、予防することができます。日照妨害によって被害者が受ける不利益の程度が受忍限度を超えている場合には、その建築は違法な建築となります。
この仮処分は建築による日照妨害が受忍限度を超えて違法かどうかということと、妨害行為の態様を考慮して決定されます。この受忍限度を超えているかどうかの判断は様々な事情を考慮してなされますが、一般には日照妨害が受忍限度を超えず、建築工事が違法とはいえない場合でも、建築現場で建築主側に工事内容などについて説明を求めたり、話合いを要求したりする行動など社会的に許される限度内の平和的で節度のある反対運動は、いわゆる妨害行為とはいえず、妨害禁止の仮処分の対象とはなりません。しかし建築工事が違法とはいえない場合の社会的に許される限度を超える反対運動は、ほとんどの場合に仮処分によって禁止されます。
一方で日照妨害が受忍限度を超え、建築工事が違法である場合の妨害行為は、建築工事妨害禁止の仮処分によって禁止されるかでは、受忍限度を超える場合には、被害者側は、裁判所へ建築工事差止めの仮処分を申請することによって、工事を差止ることができます。その場合に、仮処分を申請することなしに、自ら実力などを用いて建築工事を妨害することが許されるかという間題があります。
自力救済は、法律上認められていないとの観点を強調する立場からは、受忍限度を超える場合でも建築を実力で阻止することは許されないことになります。このような立場から、マンション建築反対のビラの撤去を認めた裁判例もあります。しかし違法な建築について、建築工事妨害禁止の仮処分命令が出されると、実力による建築妨害行為を防ぐ目的であっても、結果的には違法な建築の続行に加担することになり、不合理な結果となってしまいます。そのため適法な建築に対する妨害行為についてだけ妨害禁止の仮処分を認め、違法な建築に対する妨害行為については原則として認めないとの考え方があります。裁判例もこの考え方に基づくものが多く、違法な建築部分に対する妨害行為だけを禁止している例もあります。違法な建築に対する妨害行為の禁止は、建築主側の身体に危害を加えるようなものなど著しく社会的妥当性を欠く妨害行為に限って認められるべきです。

間取り
建築予定の告知/ 日照紛争に関する交渉/ 建築制限の合意/ 分譲地における建築制限/ 借地上建物の増築による日照被害/ 建築工事差止の仮処分/ 建築工事差止手続の準備/ 建物取壊し請求/ 塀による日照妨害/ 損害賠償請求の法的根拠/ 日照妨害による損害/ 公共施設による日照被害の補償/ 建築工事の妨害禁止/ 建築主側からの損害賠償の請求/ 眺望の価値/ 一般住宅の眺望/ 観光旅館と眺望/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサード リンク

プライバシーポリシー