更新後の借家の期間

期間三年の約束で家を借りましたが、三年たったら明け渡さなければならないのでしょうか。引き続き借りていられることになった場合、期間はやはり三年ということになるのでしょうか。
借家法は、借家契約の存続期間について、一年未満の期間の取決めを制限したほか、存続期間を直接に保証するような特別規定を設けていないから、民法の規定による最長期二〇年の制約内の期間であるならば、当事者において自由に定めることができるものとされています。したがって、本問のように三年という期間の取決めがあれば、借家契約の存続期間は一応これに拘束されることになります。しかし、この期間が満了すれば借家人は必ず家屋を明け渡さなければならないというものではありません。借家法は、借家人を保護するために、家主が、その期間満了前六ヵ月ないし一カ年内に、借家人に対し契約は更新しない旨の通知か、契約内容の一部をこれこれのように変更するのでなければ、契約の更新を拒絶する旨の通知かをしない場合、またこれらの更新拒絶の通知がなされたが、家主側に更新の拒絶、または条件の変更について正当の事由のないとき、さらにこれらの更新拒絶の通知をしたが、期間満了後になお借家人が建物の使用または収益を継続しているのに対して家主から遅滞なく異議をのべないときは、借家契約は期間満了と同時に、それまでの賃貸借と同一の条件で、当然に更新されたものとみなしています。したがって本問においても、家主から前述のような通知がないかぎり借家契約は終了せず、引き続き家屋の利用、居住をすることができます。

スポンサーリンク
間取り

家主から契約条件を変更するのでなければ更新を拒絶する旨の通知があり、借家人がこの申出条件を承認したとき、または、その申出が正当事由に基づく適正なものであるときは、借家人の承諾の有無にかかわらず、契約は、期間満了と同時に、新たな条件に従った契約に更新されることになりますので、その条件が存続期間に関するものであるならば、それに従うことになります。それ以外の法定更新で、引き続き借りていられるようになった場合の存続期間は、借家法二条が「前賃貸借と同一の条件を以て更に賃貸借」がなされたものとみなしていますので、前借家契約の期間の定めをもこの同一の条件のなかに合むのかどうかで決まることになります。民法では、賃貸借一般について、このような場合は、それまでの賃貸借と異なって期間の定めがないものとして扱うことを明示していますが、借家法二条はこのようなことを述べていませんので期間の点も前契約と同一期間で更新されるとする学者の意見がかなりみられますし、そう判断した裁判例もあります。これによると本問では、法定更新後なお三年間は解約されることなく借家契約が存続することになります。しかし、最近の裁判所の取扱は、借家契約の場合も民法に従って、更新ののちは、期間の定めのない場合として正当の事由があれば何時でも当事者から解約の申入ができるものとしています。

間取り
借家の期間の決め方と効力/ 更新後の借家の期間/ 一時使用の賃貸借/ 一時使用の賃貸借の特性/ 和解、調停と一時使用の賃貸借/ 抵当権と短期賃貸借/ 解約申入と更新拒絶の要件/ 解約申入と更新拒絶に必要な正当事由/ 正当事由の存在時期/ 新家主から借家人への正当事由/ 代償の提供による正当事由/ 家計費捻出のための正当事由/ 改築あるいは新築する場合の正当事由/ 家賃の滞納、借家の使用方法での正当事由/ 営業上利害の対立での正当事由/ 借家権の譲渡と転貸の自由の制限/ 借家権譲渡の承諾の効果/ 借家転貸の承諾の効果/ 差配人や管理人などとした承諾/ 事後承諾と包括的承認/ 借家の譲渡、転貸の黙示の承諾/ 譲渡、転貸の承諾の撤回/ 借家権の無断譲渡、転貸の効果/ 間貸と転貸/ 一部の無断転貸と全部の契約解除/ 解除権の制限/ 近親者への間貸は転貸にあたるか/ 個人契約の借家を会社名義で使用している場合/ 建物の賃借人が共同事業者に建物を使用させる場合/ 無断転貸がやむをえない事由による場合/ 契約解除される前に転借人を借家より退去させた場合/ 解除権が発生せず、解除権の行使がゆるされない場合/ 移転料、更新料、名義書換料の意味/ 移転料の効用/ 移転料、立退料の算定方法/ 更新料の効用/ 名義書換料、承諾料の効用/ 名義書換料の算定方法/ 造作の意義/ 造作買取請求権の効果/ 造作買取請求権の行使と建物の留置/ 費用償還請求権の成立/ 費用償還請求権行使の時期/ 費用償還請求権の行使と建物の留置/ 借家紛争の調停と和解/ 借家の仮処分/ 土地買収と借家権/ 区画整理と借家権/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー