境界ギリギリに家を建てられる場合

私の土地は都心部近くにあり、建築基準法では外壁が耐火構造の建物であれば、境界いっぱいに建物を建ててもよいことになっています。隣りでは民法の規定している五〇cm以上離すようにといっています。どうすればよいでしょうか。その距離は屋根の先端と建物の側面のどこから測るのでしょうか。
建築基準法は民法の規定とは別に、建物の境界線からの距離について次のような規定をもうけています。
(1)第一種住居専用地域内では、敷地境界線と建物の外壁の間は一・五mまたは一m以上離さなければならない。
(2)防火地域または準防火地域にある建築物で外壁が耐火構造のものについては、その外壁を境界線に接してもうけることができる。
本問での土地は(2)の建築基準法上境界線に接して建物を建てられる地域にあるようですが、隣人が民法の原則を持ち出してきているとのこと、たしかにどちらの法律を適用するのかはやっかいな問題です。民法の適用を優先させようとする考え方と、建築基準法の適用の方を優先させようとする二つの考え方があります。
まず、民法の規定にしたがって境界線から五〇cm以上離すべきだとする考え方は、民法と建築基準法はそれぞれ異なった目的をもっているということを前提としています。すなわち、前者は私人間の権利関係を調整するという目的をもっているのに対して、後者は建築物の敷地、構造等について公益上の観点から最低基準をもうけ、建築物に対して公法上の立場から規制するという目的をもっているとするのです。この考え方にたちますと、民法上の権利義務は建築基準法によって当然には影響を受けることにはなりません。

スポンサーリンク
間取り

他方、建築基準法を民法に対する特別法とし、この特別法を一般法としての民法よりも優先させて適用する考え方もあります。この考え方では、防火地域や準防火地域に耐火構造の外壁をもつ建物を建てるときには、建築基準法にしたがって境界線に接して建物を建てることができます。このように、どちらの考え方に立つかによって、建物を境界線から五〇cm以上離す必要もでてきますし、境界線いっぱいに建てられることにもなります。ですから、考え方次第によっては、あなたの隣人の主張も無理からぬところがあるわけです。たしかに採光や通風といった私人の利益を保護する民法の規定が建築基準法によって単に外壁が耐火構造であるという理由だけで修正されてしまうことは問題でしょう。しかし、防火地域なり準防火地域というのは都心部とかそれに近いところが指定されるわけですから、実際問題としてそれらの土地の価額は高く土地をできるかぎり高度に利用する必要があります。このような点を考えますと、民法よりも建築基準法の適用を優先すると考えたほうが妥当のように思えます。学説や判例もこの考え方が大勢のようです。したがって、本問の場合、外壁が耐火構造の建物を建てれば、境界線から五〇m以上離す必要はありません。
境界線と建物の間の距離を測るには、境界線と建物の側面の固定的突出部分(たとえば外壁よりも突出している柱部分)との間の最短距離を側ります。

間取り
隣りが境界ギリギリに家を建てている/ 境界ギリギリに家を建てられる場合/ ビル工事と工事前の事故予防対策/ 建築工事のため隣地に立入ることができる/ 地下掘削工事により家が傾いたとき/ 建築物用地下水の汲み上げにより家が壊れたとき/ 工事の繰り返しで地盤沈下し家が壊れた/ 工事人の過失で家が壊れた/ 通行中に工事の落下物でケガをしたとき/ 他人の土地を通さなければ水道ガス管を引けないとき/ 隣りまできている水道ガス管から分けてもらうには/ 工場の地下水の汲上げで井戸が涸れた/ 道路工事で私道の水道ガス管が壊されたとき/ 地下鉄工事で水道管が破裂したとき/ 個人専用の電柱から電気をひくには/ 高圧線が通っている土地を買ってしまったら/ 隣りが盛土したために雨水が流れ込み水たまりになった/ 雨水が隣りから直接注ぎ込む場合/ 他人の土地を通さなければ下水を流せないとき/ 隣地を通っている排水管の修理/ 共同の排水溝の管理費用の分担/ 住宅地の下水が田に流れこんでくる/ 浄化槽が台所の近くに造られたとき/ 共同の浄化槽の管理費用の分担/ 便所の汲取のための隣地の使用/ 違反建築でない建物による日照妨害/ 日照妨害により生計のための鳥が死亡/ 建築協定付の土地を買うと/ 崖崩れで近所の家を壊したとき/ 隣りの失火により家が焼けたとき/ 借家人の失火により家を焼いたとき/ 工事現場の溶接の火花で家が焼けたとき/ 住宅密集地でプロパンガスが爆発したとき/ 危険物運搬車の事故で家が焼けたとき/ 隣りが火事のときに投げ込まれた荷物/ アパートの隣室の音がうるさいとき/ アパートの隣人の失火で家財道具が焼けたとき/ アパートの階上の人の過失で水漏れしたとき/ 分譲マンションの管理費が不当に高いとき/ 分譲マンションの管理会社の変更/ 分譲マンションの屋上は共有/ ペット禁止の特約のあるアパート/ 団地の水洗トイレの管理/ 団地の火事の消火の水で水浸しになったとき/ 分譲マンションの専用部分の修繕/ 近所の商店で共同ビルをつくるには/ 再開発組合の決定に反対できるか/ 共同ビルの立て替えは反対者が一人でもいればできない/ 商業地域における日照妨害/ ビル工事の騒音振動による売上減少/ 隣りの工場の騒音振動で営業ができないとき/ 附近一体の地盤沈下で営業できないとき/ 電光版がビルに遮られて売上損害をうけたら/ 眺望を遮られて商売上の損害を受けたら/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー