工事人の過失で家が壊れた

隣りのビル工事で、鉄筋コンクリートの一部が工事人のミスで壊れ、私の家の屋根や壁が破損してしまいました。どのような損害賠償を請求できるでしょうか。
あなたの家の屋根や壁の破損が、隣りのビル工事のミスを原因としている以上、不法行為(故意または過失により違法に他人に損害を与える行為)になりますから、あなたは被害者として、加害者に対し損害の賠償を請求できることは当然です。そこでどのような損害賠償を請求できるかが問題となります。
被害者が加害者に損害の賠償をさせる方法としては、壊された屋根や壁を加害者に修繕させてもとどおりにさせるというような原状回復の方法も外国の立法例にはありますが、日本の民法では、損害の額を金銭で評価してその金額を支払わせることによって損害を賠償させるという金銭賠償を原則としています。しかし、金銭賠償以外の方法によるべき旨の別段の意思表示があればそれによってもよいことになっていますので、建設会社と話しあいで家の修復をすることは差支えありません。そのほか、例えば、あなたが建築に特別の趣味をもち、特殊の設計により、特殊の材料を用いて念入りに建てられた家屋が毀損されて、精神的に打撃をうけたとすれば、精神的損害の賠償(慰謝料)を請求すること唇できますが、この精神的損害の賠償広も金銭に評価してなされます。

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賠償すべき損害の範囲は、その工事のミスがなかったならば生じなかったであろうという関係にたつすべての損害ではなく、いわゆる相当因果関係(その工事のミスが行なわれた場合に通常生ずるであろうと想像される範囲内)の損害にかぎって賠償を請求することができます。もっとも、特別の事情によって生じた損害でも、当事者がその損害を予見し、または予見することができたであろうと考えられる場合には、その損害の賠償をも請求することができます。次に、損害額を算定する基準となる時期が問題となりますが、この点につ いては、工事のミスがあったとき、すなわち不法行為の時を基準として損害額を算定するのが妥当ではないかと考えられます。そして、屋根や壁が壊されたとすれば、その屋根や壁を修繕して、もとのとおりにするのに要する費用が損害ということになりましょう。もしその修繕が不能の場合には、屋根や壁が壊されたことによって家屋の交換価格が減少しますから、その減少した額が損害となるものと考えられます。なお、慰謝料も請求できる場合があるということを前にのべましたが、財産的損害が賠償されれば、精神的損害も一応回復されるものとみるべきであると考えられていますので、財産権に対する侵害の場合に通常生ずべき損害は、財産的損害だけということになりますが、その外にはみ出した精神的損害があるとすれば、それは、特別事情による損害として、当事者が予見し、または予見できたであろうと考えられる場合にだけ、賠償の請求をすることができることになりましょう。工事のミスなどの場合、この特別事情の予見可能性があったとみるべきかどうかは、具体的にケースバイケースで判断されることになります。

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隣りが境界ギリギリに家を建てている/ 境界ギリギリに家を建てられる場合/ ビル工事と工事前の事故予防対策/ 建築工事のため隣地に立入ることができる/ 地下掘削工事により家が傾いたとき/ 建築物用地下水の汲み上げにより家が壊れたとき/ 工事の繰り返しで地盤沈下し家が壊れた/ 工事人の過失で家が壊れた/ 通行中に工事の落下物でケガをしたとき/ 他人の土地を通さなければ水道ガス管を引けないとき/ 隣りまできている水道ガス管から分けてもらうには/ 工場の地下水の汲上げで井戸が涸れた/ 道路工事で私道の水道ガス管が壊されたとき/ 地下鉄工事で水道管が破裂したとき/ 個人専用の電柱から電気をひくには/ 高圧線が通っている土地を買ってしまったら/ 隣りが盛土したために雨水が流れ込み水たまりになった/ 雨水が隣りから直接注ぎ込む場合/ 他人の土地を通さなければ下水を流せないとき/ 隣地を通っている排水管の修理/ 共同の排水溝の管理費用の分担/ 住宅地の下水が田に流れこんでくる/ 浄化槽が台所の近くに造られたとき/ 共同の浄化槽の管理費用の分担/ 便所の汲取のための隣地の使用/ 違反建築でない建物による日照妨害/ 日照妨害により生計のための鳥が死亡/ 建築協定付の土地を買うと/ 崖崩れで近所の家を壊したとき/ 隣りの失火により家が焼けたとき/ 借家人の失火により家を焼いたとき/ 工事現場の溶接の火花で家が焼けたとき/ 住宅密集地でプロパンガスが爆発したとき/ 危険物運搬車の事故で家が焼けたとき/ 隣りが火事のときに投げ込まれた荷物/ アパートの隣室の音がうるさいとき/ アパートの隣人の失火で家財道具が焼けたとき/ アパートの階上の人の過失で水漏れしたとき/ 分譲マンションの管理費が不当に高いとき/ 分譲マンションの管理会社の変更/ 分譲マンションの屋上は共有/ ペット禁止の特約のあるアパート/ 団地の水洗トイレの管理/ 団地の火事の消火の水で水浸しになったとき/ 分譲マンションの専用部分の修繕/ 近所の商店で共同ビルをつくるには/ 再開発組合の決定に反対できるか/ 共同ビルの立て替えは反対者が一人でもいればできない/ 商業地域における日照妨害/ ビル工事の騒音振動による売上減少/ 隣りの工場の騒音振動で営業ができないとき/ 附近一体の地盤沈下で営業できないとき/ 電光版がビルに遮られて売上損害をうけたら/ 眺望を遮られて商売上の損害を受けたら/

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