地下鉄工事で水道管が破裂したとき

地下鉄工事人のミスで水道管が壊され、附近一帯水びたしになってしまいました。私のところも家具や衣類が水をかぶってしまいましたが、このような損害も賠償してもらえるでしょうか。
水道管の破裂が工事人の過失による以上、不法行為(故意または過失により違法に他人に損害を与える行為)として、被害者は加害者に、その被った損害の賠償を請求できます。
工事をミスした工事人とその使用者(使用者責任を負います)に損害賠償義務があることはもちろんですが、その工事が下請業者によってなされていた場合でも、地下鉄工事など大規模な工事では元請業者の監督が現場に派遣されていて、下請業者を被用者と同様に使用している場合がふつうですから元請業者と連帯して、損害賠償の義務があることになります。
これに反して、地下鉄工事を発注した営団などの注文主には、その注文または指図について過失のないかぎり、損害賠償の義務はないとされています。

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本問のような場合、その水道管を管理している水道事業の事業主である都あるいは市町村にも損害賠償義務があることが少なくありません。といいますのは、水道管が埋設されている場所の工事の場合、工事前に施工業者と都などの水道管理者とが水道管の埋設位置を確認したり、現場での立会いをしたりするのが通例ですが、この際に水道管理者の確認や指示に誤りがあり、そのために水道管を壊してしまったような場合には、水道管理者にも損害賠償の義務があることになるからです。そこで被害者としては、だれに損害賠償義務があるのかをまず確定し、そのうちで支払能力の確かな者に対して、損害賠償の請求をすべきです。このような事故の多くは、何人もの人の過失が競合して被害が発生したり、被害額が増大したりしていますが、このうち誰がどの程度の責任を負うべきなのかは加害者間の内部事情にすぎず、被害者としては、自分が適当と思う加害者に対して、損害全額の賠償を請求できるのです。賠償の方法は、金銭でするのが原則です。
そこで家具など物の損害の補償ですが、このなかには、たとえ汚損しても修理、洗濯が可能なものと不可能なものがあります。障子、襖、タンス類、衣類などは、ふつう修理、洗濯が可能ですから、これらの損害額は、その修理、洗濯などに要した費用ということになります。畳、夜具類、電気製品などは、水につかってしまうと修理しても再度使用は不可能でしょう。縫直し、格落などのできない高級な着物や、流失してしまったものもこれに含まれます。これらの損害額は、その物の被害時の価格ということになります。したがって、相当期間使用していたものは、当然買い入れたときの価額から、使用年数に応じて減額されることになります。この価格について折合いのつかないときは、日本海事検定協会など第三者に依頼して、その査定に服するといった例もありますがろ、どうしても解決のつかないときは、裁判によってきめることになります。
また、精神的被害に対する慰謝料も請求できるのですが、実例としては被害者から特に要求した例はあまりなく、数千円程度の見舞金で処理されているのが実状のようです。

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