高圧線が通っている土地を買ってしまったら

土地を買い、家を建てようとしたら高圧線が通っているので、その下は家が建てられないとのことです。こんな場合、土地の売買契約を解除できないでしょうか。
電力会社が、高圧線を通すためには、その設備などが電気事業法によって通商産業省令で定める技術規準に適合するようにしなければならないとされています。しかも この通商産業省令によると、高圧線直下およびその両側各三m以内の部分には、建物が存在してはいけないことになっています。そのために、電力会社ではその高圧縮下の土地につき代償を払って、その土地の使用制限の契約を結ぶわけです。この契約は期限をきめて結びますが、更新を続け、地主がかわった場合も、この契約は引き継がれていきます。この土地の権利は、一種の地上権または地役権のような性質のものと思われます。また、電力会社では、高圧線を引くために必要であれば、土地収用法により強制的に土地使用契約を結ぶことも認められています。ですから、この高圧線下の土地を買った場合は、樹木の植栽や工作物の建設は大幅な制限を受けます。農耕用とか、芝生や盆栽程度の植物や、人畜に関係のない低い工作物、耐電耐火のような危険性のない構造の建物その他の工作物は特に許可されるようです。

スポンサーリンク
間取り

このような制限があることを知らずに買ってしまったが、売買契約を解除できるかどうかという点ですが、高圧線が通っていることはその土地の使用が大幅に制限さ れるのですから、その土地に瑕疵(欠点)があるということになります。ところで、売買の目的物に隠れたる瑕疵があり、そのため買主が契約をした目的を達成することができないときには、買主は契約の解除をすることができることになっています。このような売主の責任を瑕疵担保責任といいます。
問題は高圧線下の土地であるという瑕疵が、隠れたものといえるかどうかです。ところでこの瑕疵が隠れているというのは、取引界で要求されるふつうの注意を用いても発見されないもの(買主が瑕疵を知らず、知らないことに過失のだいこと)をいうと考えられています。そうしますと、高圧線と低圧線とでは、使用されている電線の直径の太さや電柱の構造などから比較的容易にこれを識別することができます。つまり現地に行きさえすれば、だれでも、容易に高圧線下の土地であるということを発見できると考えられます。
もっとも、高圧線下の土地であるといっても、それに流れている電流が何ボルトであるのか、建物の建築が禁止されるのは具体的にどの範囲なのかというよう なことは、素人では一見して知ることはむずかしいともいえます。しかし建物を建てるために土地を買う以上、現地を見て高圧線下の土地であることを知ったならば、市町村役場の建築課にいってその制限の内容などを聞くことは比較的容易と考えられますので、このような配慮もしなかった買主には、この瑕疵を知らないことに過失があったことになり、この瑕疵は、隠れたものとはいえないということになります。
このようなわけで本問の場合、売買契約を解除することはむずかしいということになります。土地を買う以上些細なことでも十分に注意、調査したいものです。売主が不動産業者であれば、宅地建物取引業法でこのような行政上の制限について買主に説明する義務が課せられていますから、違反すれば、免許取消や業務停止などの処分を受けることになります。一応、都道府県の不動産業者の取締りをしている課に相談してみるとよいでしょう。

間取り
隣りが境界ギリギリに家を建てている/ 境界ギリギリに家を建てられる場合/ ビル工事と工事前の事故予防対策/ 建築工事のため隣地に立入ることができる/ 地下掘削工事により家が傾いたとき/ 建築物用地下水の汲み上げにより家が壊れたとき/ 工事の繰り返しで地盤沈下し家が壊れた/ 工事人の過失で家が壊れた/ 通行中に工事の落下物でケガをしたとき/ 他人の土地を通さなければ水道ガス管を引けないとき/ 隣りまできている水道ガス管から分けてもらうには/ 工場の地下水の汲上げで井戸が涸れた/ 道路工事で私道の水道ガス管が壊されたとき/ 地下鉄工事で水道管が破裂したとき/ 個人専用の電柱から電気をひくには/ 高圧線が通っている土地を買ってしまったら/ 隣りが盛土したために雨水が流れ込み水たまりになった/ 雨水が隣りから直接注ぎ込む場合/ 他人の土地を通さなければ下水を流せないとき/ 隣地を通っている排水管の修理/ 共同の排水溝の管理費用の分担/ 住宅地の下水が田に流れこんでくる/ 浄化槽が台所の近くに造られたとき/ 共同の浄化槽の管理費用の分担/ 便所の汲取のための隣地の使用/ 違反建築でない建物による日照妨害/ 日照妨害により生計のための鳥が死亡/ 建築協定付の土地を買うと/ 崖崩れで近所の家を壊したとき/ 隣りの失火により家が焼けたとき/ 借家人の失火により家を焼いたとき/ 工事現場の溶接の火花で家が焼けたとき/ 住宅密集地でプロパンガスが爆発したとき/ 危険物運搬車の事故で家が焼けたとき/ 隣りが火事のときに投げ込まれた荷物/ アパートの隣室の音がうるさいとき/ アパートの隣人の失火で家財道具が焼けたとき/ アパートの階上の人の過失で水漏れしたとき/ 分譲マンションの管理費が不当に高いとき/ 分譲マンションの管理会社の変更/ 分譲マンションの屋上は共有/ ペット禁止の特約のあるアパート/ 団地の水洗トイレの管理/ 団地の火事の消火の水で水浸しになったとき/ 分譲マンションの専用部分の修繕/ 近所の商店で共同ビルをつくるには/ 再開発組合の決定に反対できるか/ 共同ビルの立て替えは反対者が一人でもいればできない/ 商業地域における日照妨害/ ビル工事の騒音振動による売上減少/ 隣りの工場の騒音振動で営業ができないとき/ 附近一体の地盤沈下で営業できないとき/ 電光版がビルに遮られて売上損害をうけたら/ 眺望を遮られて商売上の損害を受けたら/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー