隣地を通っている排水管の修理

一〇年以上前にAから土地付の家を譲り受けたのですが、そのときから、私の家の排水管は隣りのBの庭に埋設されていて、Bの庭を通って、表の排水溝に通じていました。最近この排水管が壊れたらしく、排水が地表ににじみ出てくるようになりましたので、新しくビニール管にかえたいと思いますが、Bは庭を掘り起こされては困るといいます。どうしたらよいでしょうか。
その排水管が、公共下水道の排水区城内(市町村が公共下水道により下水を排除する旨公示した地域)にあるのか、あるいは、その区域外にあるかによって法律関係を異にします。もし、前者であるとすれば、下水道法は、その排水設備を維持しなければならない者は、その改築、修繕、維持するためやむをえない必要があるときは、他人の土地を使用することができる旨を規定していますので、Bがこれを拒絶しても、そこに立ち入って修繕または改築をすることが可能です。もっとも、土地はBのものですから、これによる損害はあなたの方で補償しなければなりません。

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本問では、その家をAから譲り受けたとのことですので、おそらくは、AB間に排水管の設置について何かの取決めがあったのだろうと思います。そこで、その内容がどんな法律関係にあたるかを考えてみますと、まず、排水管設置のため、AがB地を使用するという地役権設定契約が締結されていたという場合です。これを登記していれば、当然その権利を引き継ぐことになりますから、Bに対して、この地役権設定契約上の権利を主張することができます。しかし、こんな契約が結ばれていることはまずないのが実状でしょう。
次に、AとBとが単に排水管を通すためにAB間だけの約束として契約を結んだ場合で、これは民法上無償であれば使用賃借契約、有償であれば賃貸借契約ということになります。このような契約は、債権契約といわれ、当事者が変われば、原則として効力がなくなる、つまり本問の場合、Bに対して当然にはAがもっていた権利を譲り受けたのだと主張できないことになります。現在隣地に排水管を設置しているもののほとんどがこの償権契約でしょう。だとすると、あなたのように権利者が変わった場合、その後Bがあなたの排水管の使用を認めたのでないかぎり、あなたが隣地内の排水管で排水をしていたのは、確固とした法律上の権利として隣地を使用していたのではなく、隣地所有者の好意によって使ってきたということになります。しかし、Bが一〇年以上もその使用を認めてきたということは、暗黙の使用賃借契約が成立したとも考えられますし、あるいは使用賃借について時効が完成したという場合もありえましょう。さらにそうした契約関係がまったく成立しないとしても、民法では、高地の所有者は家用の余水を排泄するため公流または下水道に至るまで低地に氷を通過させることができる旨を規定しています。この規定が排水管の修繕にまで適用があるかどうか、あなたの土地とBの庭との高低差があるのかどうかなどの問題はありますが、従来Bの庭を通じて排水がなされていたとすればあなたの土地が高いのでしょう。Bが修繕させないといった場合、被害を受けるのはむしろBの方でしょう。ですからこの場合にもこの規定を適用できると考えたほうが実際的だと思います。Bは、排水区域外でも、あなたの申入れを受け入れるべきです。
しかし、Bとしても庭を勝手に掘り起こされたのでは困るでしょうから、Bによくたのみこみ、それでも駄目なときは裁判所に調停を申し立て、そこで、工事の時期、方法、庭を掘り起こすことによって生ずる損害賠償などをはっきりきめてもらうとよいでしょう。

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