便所の汲取のための隣地の使用

借家していた家主から譲り受けたのですが、隣家も同じ家主の持家だったため、とくに隣家との間に塀もなかったので、便所の汲取には隣家の脇のせまい空地を使わせてもらっていました。最近隣人が家主からその家を譲り受けたところ、自分の家のまわりに塀をしてしまい、私の家の汲取が家の外からできなくなってしまいました。こんな場合、どうしたらよいでしょうか。
およそ、土地所有権を取得したというかぎりは、原則として、その土地の全部を自由に使用、収益、処分することができ るのであって、もとの大家から譲り受けたことによって、法律上の制限を受けることはありません。したがって、隣人が、塀をすることも本来その人の自由にできる事柄といえます。
しかし一方、土地というものは連続しているものであって必ず隣りがあります。そこで自分の土地を十分に使用するためには、相互に他の土地を使用させてもらわなければならないという関係がでてきます。このように、隣り同士の土地の利用関係を調整するために民法はいろいろの規定をもうけています。これを相隣関係といいます。この一つに隣地使用権というのがあります。すなわち土地所有者は、境界またはその近くで、牆壁(塀や柵など)やら建物を築造しまたは修繕するため必要な範囲内で隣地の使用を請求できるとされるのがこの権利です。また、袋地の所有者は、公道に出るために隣地を通行できる囲繞地通行権(袋地通行権)という権利ももっています。もっともこれらの規定には、便所の汲取という文字は表われていないので、解釈としては問題のあるところだと思いますが、便所の汲取は、塀や建物の築造、修繕と比較し、より切実な問題ですし、またこれによって隣家に与える損害も少ないので、袋地通行権の認められている精神をもあわせ考えれば、民法二〇九条の中に含めて差文えないものと考えられます。そこで、あなたとしては、従前のとおり、汲取のため隣地を使用させてもらうことを頼んでみたらどうでしょうか。しかし、そのことによって隣家の人は何がしかの損害を受けましょうから、その償金はあなたの方で負担しなければならないことは当然です。もっとも、汲取式便所は早晩水洗式に改めなければなりませんから、この悩みもそれまでの間のことだといえないこともありません。
いくら頼んでも、隣人が土地の利用を認めてくれないときは、もよりの裁判所に隣人を相手方として調停を申し立てるのも一つの方法です。調停では、裁判所の調停委員が仲介者として解決を図ってくれます。

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廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりますと、汲取便所であって、当該便所にかかる屎尿の汲取作業を著しく困難にするものの設置者に対しては、当該便所を水洗便所に改造すべきことを、市町村長において命ずることができるように規定されています。そして、これに対して理由なくしたがわないときは、市町村長は水洗便所への改造を命令することができ、これに従わないときは処罰を受けることになっています。そこで、本問の場合、むしろ、水洗便所に改造することを考えたほうが得策かも知れません。とくに改遊資についても特別の融資が規定されていることなとがら、一つのチャンスでもありましょう。

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隣りが境界ギリギリに家を建てている/ 境界ギリギリに家を建てられる場合/ ビル工事と工事前の事故予防対策/ 建築工事のため隣地に立入ることができる/ 地下掘削工事により家が傾いたとき/ 建築物用地下水の汲み上げにより家が壊れたとき/ 工事の繰り返しで地盤沈下し家が壊れた/ 工事人の過失で家が壊れた/ 通行中に工事の落下物でケガをしたとき/ 他人の土地を通さなければ水道ガス管を引けないとき/ 隣りまできている水道ガス管から分けてもらうには/ 工場の地下水の汲上げで井戸が涸れた/ 道路工事で私道の水道ガス管が壊されたとき/ 地下鉄工事で水道管が破裂したとき/ 個人専用の電柱から電気をひくには/ 高圧線が通っている土地を買ってしまったら/ 隣りが盛土したために雨水が流れ込み水たまりになった/ 雨水が隣りから直接注ぎ込む場合/ 他人の土地を通さなければ下水を流せないとき/ 隣地を通っている排水管の修理/ 共同の排水溝の管理費用の分担/ 住宅地の下水が田に流れこんでくる/ 浄化槽が台所の近くに造られたとき/ 共同の浄化槽の管理費用の分担/ 便所の汲取のための隣地の使用/ 違反建築でない建物による日照妨害/ 日照妨害により生計のための鳥が死亡/ 建築協定付の土地を買うと/ 崖崩れで近所の家を壊したとき/ 隣りの失火により家が焼けたとき/ 借家人の失火により家を焼いたとき/ 工事現場の溶接の火花で家が焼けたとき/ 住宅密集地でプロパンガスが爆発したとき/ 危険物運搬車の事故で家が焼けたとき/ 隣りが火事のときに投げ込まれた荷物/ アパートの隣室の音がうるさいとき/ アパートの隣人の失火で家財道具が焼けたとき/ アパートの階上の人の過失で水漏れしたとき/ 分譲マンションの管理費が不当に高いとき/ 分譲マンションの管理会社の変更/ 分譲マンションの屋上は共有/ ペット禁止の特約のあるアパート/ 団地の水洗トイレの管理/ 団地の火事の消火の水で水浸しになったとき/ 分譲マンションの専用部分の修繕/ 近所の商店で共同ビルをつくるには/ 再開発組合の決定に反対できるか/ 共同ビルの立て替えは反対者が一人でもいればできない/ 商業地域における日照妨害/ ビル工事の騒音振動による売上減少/ 隣りの工場の騒音振動で営業ができないとき/ 附近一体の地盤沈下で営業できないとき/ 電光版がビルに遮られて売上損害をうけたら/ 眺望を遮られて商売上の損害を受けたら/

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