違反建築でない建物による日照妨害

住居地域に住んでいる者ですが、隣りが二階建てにしたことによって全然日があたらなくなってしまいました。建築基準法には違反していないそうですが、損害賠償を求めることはできないのでしょうか。
住居地域において、南側に二階建ての建物が建てられたために日があたらなくなったというケースは十分考えられます。この場合に、損害賠償請求ができるものでしょうか。判例にあらわれたものは、純然たる住居地域で生じたケースでは、加害者側に害意があるか違反建築の場合で、損害賠償を認めております。
日照権の侵害が社会問題となり深刻になったので、昭和四五年に建築基準法が改正されました。すなわち、第一種住居専用地域では建物の高さが一〇mに制限され、北側斜線の制度がもうけられました。北側の境界線ギリギリのところで建てる場合には五m、一m離れた場合には五mプラス一・五mの高さまで建てられます。これは、建物の間隔が四mとして、冬わずかに二階に日があたる和良です。なお、この地域では建物の壁面が境界から一mないし一・五m離れなければならないことになっています。第二種住居専用地域では、この北側斜線はずっとゆるやかになります。ここでは中高層のアパートが建てられることが予定されているからです。建物の間隔が一〇m離れていて、四階・五階に冬ちょっと日があたるという斜線です。
もっとも、東京都のある地域では高度地区として建築基準法よりきびしい北側斜線の制限があります。
ところで、このような制度が動きだしても、建物の間隔が狭ければ日があたらない現象が生じます。まして、そういう制度が行なわれていない現在、南側に二階建ての建物が建ったために日がまったくあたらなくなるということはおこりうるでしょう。二階建ての建物というのは、住宅としては通常だとみなければなりません。そして、建築基準法にしたがっていれば仕方がないというべきではないでしょうか。

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間取り

ですから本問の場合、二階建てを建てるのはけしからん、損害賠償をしろというのは、ゆき過ぎのように思われます。法律を守って、しかも住宅として通常の二階建てを建てるのは 違法性がないというべきでしょう。
ただ隣人が建築するといってきたときに、建築の場所などが示され、あなたが、もう一mほど西によってくれないかとか、もう五〇m南に出してくれないかといっているのに、しかも、隣人の敷地が広くて、そのように譲ってもほとんど不利益がないのに、それに一顕だに与えなかったというような場合には、違法性があるとみてよいでしょう。したがって、不法行為(故意または過失により違法に他人の権利を侵害する行為)として損害賠償が認められると思います。
また、他人に打撃を与えるため、すなわち害意をもってした場合は、もちろん損害賠償の請求はできるでしょう。この場合に、財産上の損害、例えば地価が下がるとかの損害賠償は認めないのが判例の態度です。精神的打撃の損害賠償(慰謝料)のみ認めるようです。

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