住宅密集地でプロパンガスが爆発したとき

私のところは密集住宅地で、先日近所でプロパンガスの爆発があり、多くの死傷者が出ました。プロパンガスの会社が悪いのか、扱った人が悪いのかわかりませんが、誰が責任をとってくれるでしょうか。
爆発は、ふつう次の三種類に分けられます。(1)火薬、ガスなど本来爆発性を有するものの爆発、(2)ボイラーのような本 来爆発性物質でないものが、火の急速な加熱によって破裂する場合、(3)いわゆる化学変化または気圧変化によるもの。プロパンガスの爆発は、(1)の分類に入ります。ところで爆発は、火災と同様一種の燃焼作用ではありますが、火災と異なる点は燃焼の速度がはなはだしく急速であり音響をともなうことです。ですから、火薬、ガスなどの爆発によって火災が発生しても、この損害賠償の関係については、失火責任法は適用されません。つまりプロパンガスの取扱関係者は、ふつうの過失(軽過失)があれば、被害者に与えた損害を賠償しなければならないことになります。
これに反して、火災が発生し、それに誘発されて火薬やガスなどの爆発が起こっても、その火災については失火責任法が適用されることになります。
またプロパンガスを貯蔵タンクなどで確保している場合、タンクの設置、管理に瑕疵(欠陥)があり、このために爆発が生じたのであれば、そのタンクの所有者は、最終的には過失がなくても責任を負いますし、その占有者は、損害の発生について必要な注意を尽くしたことを立証しなければ責任を免れません。つまりこんな場合には、所有者、占有者は土地の工作物責任を負っていることになるのです。タンク自体の瑕疵は、ふつう被害者のほうで立証しなければならないことになっていますが、危険性の高い工作物については、より高度の安全性確保の義務がその所有者などに課せられていますので、爆発が起これば、瑕疵の存在が推測され、むしろ占有者、所有者のほうで瑕疵が存在しなかったことを立証しなければならないと考えられています。そこでタンクの爆発などのときには、ほとんどの場合、タンクの所有者であるガス会社に損害の賠償を請求できることになります。

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ガスボンベなどの容器に充填され、各家庭に配置されていたものが爆発した場合には、前の場合と異なります。というのは、前述の工作物責任は、土地に定着するガスタンクなどに適用され、ボンベのような動産には適用されないと考えられているからです。もっともこのような考えに対して工作物責任の根拠が危険責任の原理(危険のあるところに責任を負わす)にもとづいているのだから高速度の交通機関や、電気、ガスなどのようなエネルギーの動的危険にも十分及ぼすべきだとの反論があり、この考えにしたがった判例もあります。ですが、ボンベの事故のとき、その所有者、占有者に無過失責任を問うことは無理でしょう。ふつうの場合は、被害者の方でボンベ自体に欠陥があったため、あるいはその取扱者にミスがあったため事故が発生したことを立証する必要がありますが、危険物を取り扱っている業者には、危険責任主義の立場からLPガス法、火薬類取締法などによって高度の安全性確保の義務が課せられていますので、事故が発生すれば過失が推測され、反対に自分の力に、なんらの過失がなかったことを立証しなければ責任は免れえないと考えます。ですから、原因不明の場合でも、プロパンガス会社あるいはガス販売業者に損害の賠償を請求することができると思います。つまり、被害者の方で事故の原因を探索する必要はないのです。

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