団地の火事の消火の水で水浸しになったとき

私達の団地は七階建てで、先日七階で火事が起き、一戸を半焼しただけですみましたが、消火に使った水が床から六階、五階と一階まで流れ落ちました。おかけで階下の二〇戸は水びたしになりました。このような場合、だれが責任をとってくれるでしょうか。
失火の場合には、火元は「失火ノ責任二関スル法律」で、単なる過失でなく重過失の場合にだけ損害賠償の責任を負うことになっています。故意で火事を起こしたとき(放火)に責任を負うことはいうまでもありません。本問の場合、火災になった原因がまったくわかりませんからなんともいえませんが、火元に損害賠償を請求することはおそらくむずかしいでしょう。

スポンサーリンク
間取り

本問での被害は、直接には消火活動の放水の結果起こったのですが、その消防士なり消防団員の属する市町村に対して損害賠償を請求できるでしょうか。
国家賠償法は、公権力を行使する公務員がその職務を行なうについて、その公務員の故意、過失によって違法に他人に損害を与えたときは、国または公共団体が賠償責任を負うべきことを定めています。国家賠償法で公務員というのは、国家公務員法や地方公務員法にいう公務員の身分をもつ者にかぎらず、ひろく公務を委託されてこれに従事する者をいいます。そ の意味で、消防士はもちろん消防団員も公務員といってよく、それが消火作業に従事していたのですから、職務執行の際の加害であることは明らかです。しかし、国や地方公共回体の賠償責任を、自己責任(公務員の行為にもとづいて国または地方公共団体が直接に責任を負う)と考えようが、代位責任(本来加害公務員が負うべき責任を国または地方公共団体がかわって負う)と考えようが、あるいは別の責任と考えようが、公務員に故意、過失がなければなりませんし、違法な行為でなければなりません。消火活動が正当な業務行為であることはいうまでもありません。また公務員の故意、過失の立証責任は被害者にあるとされていますから、この場合の立証はほとんど不可能でしょう。一般に故意、過失の立証が困難なところから、一定の事実を立証すれば、一応過失の存在を推定すべしとの学説も有力ですが、たとえその学説にしたがうとしても、この場合は問題にならないでしょう。したがって、国家賠償法にもとづいて損害賠償を請求することはまったく望めないといわざるをえません。
違法行為による加害をつぐなうのが損害賠償であるのに対して、適法な行政作用による損害の補填が損失補償です。消防法でも、消火、延焼の防止、人命救助のため緊急の必要があるときは、消防対象物等を使用、処分、使用制限することができ、そのために損害をうけた者から損失の補償要求があれば、損失補償をすることになっています。これが損失補償ですが、放水により水びたしになった場合に、この損失補償が認められることはむずかしいでしょう。以上、火元に対しても市町村に対して応損害賠償請求もできず、損失補償の要求もできないとすれば、隣室の失火で類焼したときのように、せいぜい見舞金程度でももらえればよいとしなければならないでしょう。

間取り
隣りが境界ギリギリに家を建てている/ 境界ギリギリに家を建てられる場合/ ビル工事と工事前の事故予防対策/ 建築工事のため隣地に立入ることができる/ 地下掘削工事により家が傾いたとき/ 建築物用地下水の汲み上げにより家が壊れたとき/ 工事の繰り返しで地盤沈下し家が壊れた/ 工事人の過失で家が壊れた/ 通行中に工事の落下物でケガをしたとき/ 他人の土地を通さなければ水道ガス管を引けないとき/ 隣りまできている水道ガス管から分けてもらうには/ 工場の地下水の汲上げで井戸が涸れた/ 道路工事で私道の水道ガス管が壊されたとき/ 地下鉄工事で水道管が破裂したとき/ 個人専用の電柱から電気をひくには/ 高圧線が通っている土地を買ってしまったら/ 隣りが盛土したために雨水が流れ込み水たまりになった/ 雨水が隣りから直接注ぎ込む場合/ 他人の土地を通さなければ下水を流せないとき/ 隣地を通っている排水管の修理/ 共同の排水溝の管理費用の分担/ 住宅地の下水が田に流れこんでくる/ 浄化槽が台所の近くに造られたとき/ 共同の浄化槽の管理費用の分担/ 便所の汲取のための隣地の使用/ 違反建築でない建物による日照妨害/ 日照妨害により生計のための鳥が死亡/ 建築協定付の土地を買うと/ 崖崩れで近所の家を壊したとき/ 隣りの失火により家が焼けたとき/ 借家人の失火により家を焼いたとき/ 工事現場の溶接の火花で家が焼けたとき/ 住宅密集地でプロパンガスが爆発したとき/ 危険物運搬車の事故で家が焼けたとき/ 隣りが火事のときに投げ込まれた荷物/ アパートの隣室の音がうるさいとき/ アパートの隣人の失火で家財道具が焼けたとき/ アパートの階上の人の過失で水漏れしたとき/ 分譲マンションの管理費が不当に高いとき/ 分譲マンションの管理会社の変更/ 分譲マンションの屋上は共有/ ペット禁止の特約のあるアパート/ 団地の水洗トイレの管理/ 団地の火事の消火の水で水浸しになったとき/ 分譲マンションの専用部分の修繕/ 近所の商店で共同ビルをつくるには/ 再開発組合の決定に反対できるか/ 共同ビルの立て替えは反対者が一人でもいればできない/ 商業地域における日照妨害/ ビル工事の騒音振動による売上減少/ 隣りの工場の騒音振動で営業ができないとき/ 附近一体の地盤沈下で営業できないとき/ 電光版がビルに遮られて売上損害をうけたら/ 眺望を遮られて商売上の損害を受けたら/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー