ビル工事の騒音振動による売上減少

私は繁華街で喫茶店を経営していますが、隣りでビル工事が始まり、昼夜問わずの騒音、振動ですっかり客足が落ち、売上げが減りました。損害賠償を請求できないでしょうか。
商店街は、ある程度の騒音がつきものですから、基準音量などについて、住居地城より大きいのが通常です。しかし、商店街であっても、騒音、振動が商店街にあるものとしてがまんできない程度(受忍限度をこえる)に達していれば、不法行為、故意または過失により違法に他人に損害を与える行為として、被害者は損害賠償の請求ができるはずです。
これと似た判例として、大阪市内の難波でA工務店がBの注文をうけて高層映画劇場の建設工事をしたところ、それに隣接する和菓子小売業C、和洋菓子小売業Dなとから損害賠償を請求された事件があります。まず取こわし工事によって塵埃が建物の中に入り、その後は鉄矢板打込作業によって騒音、振動が著しくなり、そのためにその前を歩行する者が少なくなって店舗への来客も減少したと損害賠償の請求をしたものです。裁判所は、次のようにいっています。こういう歩道に面したところでの工事では、Cらの営業の邪魔にならない時間を選んでなすべきであるのに昼夜兼行でなし、また歩道上で作業をしたり、防塵用天幕も十分に設置しなかったことなどをもって、過失があるとし、また、諸般の事情から共同生活上受忍すべき限度をこえていると判断し、税金などを参考にしながら、収益の減少による損害賠償としてCについて約三万円、Dについて九万円を認めました。
もう一つは、横浜伊勢佐木町で、Aの注文によってB建築会社が四階建てビルの建築工事を始め、それに隣接している飲食店を営業しているCが、Bのシートパイルの打込みによる騒音、振動によって、壁などに亀裂などを生じ、騒音によって営業に支障をきたしたとして損害賠償の請求をした事件です。裁判所は、騒音、振動については、ある程度まではやむをえないとし、単にうるさくて眠れないとか地震のようであったとかという漠然とした感じだけでは違法性の認定はできないとし、建物の傾斜、損傷のみについて過失があるとし、そのための顧客減少による損害として約四一万円を認めました。

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間取り

本問の場合、ビルエ事による騒音、振動で客足がおちたということですが、まず違法性がなければなりません。商店街での共同生活で受忍限度をこえていることが必要です。音量などを測定したり、振動がどういう状態であったかを映写したりして証拠をつくっておくことが大切です。次に、工事建設者に過失のあることが必要です。騒音、振動について細心の注意を払っていなければ過失があるということになります。昼夜を問わずとのことですが、前述の判例の示すように顧客の来る昼などは遠慮すべきですから、こういう場合には過失があるといってよいでしょう。損害は、もしその工事による顧客減少がなければ得たであろう営業純益予想額と工事期間内に現実に生じた営業損失との差額ですが、その証拠などは税金などが主たるものだと考えてよいでしょう。
なおこの場合に、注文者が昼夜兼行を命じていれば注文者だけが賠償責任を負うこともありましょうし、建築会社とならんで共同不法行為として連帯して損害賠償責任を負うこともありましょう。

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隣りが境界ギリギリに家を建てている/ 境界ギリギリに家を建てられる場合/ ビル工事と工事前の事故予防対策/ 建築工事のため隣地に立入ることができる/ 地下掘削工事により家が傾いたとき/ 建築物用地下水の汲み上げにより家が壊れたとき/ 工事の繰り返しで地盤沈下し家が壊れた/ 工事人の過失で家が壊れた/ 通行中に工事の落下物でケガをしたとき/ 他人の土地を通さなければ水道ガス管を引けないとき/ 隣りまできている水道ガス管から分けてもらうには/ 工場の地下水の汲上げで井戸が涸れた/ 道路工事で私道の水道ガス管が壊されたとき/ 地下鉄工事で水道管が破裂したとき/ 個人専用の電柱から電気をひくには/ 高圧線が通っている土地を買ってしまったら/ 隣りが盛土したために雨水が流れ込み水たまりになった/ 雨水が隣りから直接注ぎ込む場合/ 他人の土地を通さなければ下水を流せないとき/ 隣地を通っている排水管の修理/ 共同の排水溝の管理費用の分担/ 住宅地の下水が田に流れこんでくる/ 浄化槽が台所の近くに造られたとき/ 共同の浄化槽の管理費用の分担/ 便所の汲取のための隣地の使用/ 違反建築でない建物による日照妨害/ 日照妨害により生計のための鳥が死亡/ 建築協定付の土地を買うと/ 崖崩れで近所の家を壊したとき/ 隣りの失火により家が焼けたとき/ 借家人の失火により家を焼いたとき/ 工事現場の溶接の火花で家が焼けたとき/ 住宅密集地でプロパンガスが爆発したとき/ 危険物運搬車の事故で家が焼けたとき/ 隣りが火事のときに投げ込まれた荷物/ アパートの隣室の音がうるさいとき/ アパートの隣人の失火で家財道具が焼けたとき/ アパートの階上の人の過失で水漏れしたとき/ 分譲マンションの管理費が不当に高いとき/ 分譲マンションの管理会社の変更/ 分譲マンションの屋上は共有/ ペット禁止の特約のあるアパート/ 団地の水洗トイレの管理/ 団地の火事の消火の水で水浸しになったとき/ 分譲マンションの専用部分の修繕/ 近所の商店で共同ビルをつくるには/ 再開発組合の決定に反対できるか/ 共同ビルの立て替えは反対者が一人でもいればできない/ 商業地域における日照妨害/ ビル工事の騒音振動による売上減少/ 隣りの工場の騒音振動で営業ができないとき/ 附近一体の地盤沈下で営業できないとき/ 電光版がビルに遮られて売上損害をうけたら/ 眺望を遮られて商売上の損害を受けたら/

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