電光版がビルに遮られて売上損害をうけたら

私は市の中心地で電光板による広告の会社を経営していますが、最近電光板のすぐわきに一〇階殖てのビルができ、電光板が見にくくなってしまいました。商売上大変な打撃をうけましたが、ビルに対して損害賠償を請求できるでしょうか。
都会が発展して高層建築が建ってくると、必ずといっていいほど、なんらかの形で損害を受ける者が生じます。その建築のために日照を奪われる者もでてきますし、工事の騒音に悩まされる者もでてきます。それがマーケットとかデパートですと、商売の上で打撃をうけるでしょう。本問の場合も、いままですぐ隣りが二階建てであったので、電光板がどこからでもよく見えて非常に効果があったのに、隣りに一〇階建てのビルができたために電光板が見えにくくなって、依頼が減って商売上打撃を受けたということでしょう。このような場合に、いつでもその損害を賠償しなければならないとしたら、都会の発展は望むべくもなく、土地の効率的利用などということも絵空事になるでしょう。所有権そのものが有名無実になるはずです。しかし、どんな場合でも損害賠償を請求できないというものではありません。ある要件が備わればできると考えてよいのです。

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端的にいいますと、民法の不法行為、故意または過失により違法に他人に損害を与える行為の要件をみたせば、損害賠償の請求ができます。第一に、損害がはっきりした形で生じていることが必要でしょう。本問の場合には、商売上打撃を受けたことを具体的に、数字の上で税金などがその証拠となりますが証明しなければなりません。第二に、そのやり方が非難を受ける方法であったということが必要です。あなたの方に打撃を与えるためにわざわざ建物の角度をその上うに建てたとか、ほんの少し設計を変えれば(変えても建主の方に不利益が生じないのにということが必要ですが)こういう事態がおきなかったのにあえてそれをしなかったというような場合です。そういうことの証明はなかなかむずかしいものです。従来からのゆきがかりからとか(紛争が絶えなかったとか)、設計を変えてくれといって交渉しても、それに一顧だに与えなかったということから証明することになりましょう。
判例も同じ態度です。有名な「ゆふきや事件」と称するケースがあります。銀座で電光ニュース速報、商業広告を営んでいるAが、隣接してビルの建築を始めたゆふきやの工事用の足場および道路上の建築事務所(ビルそのものでないのが本問の場合と違いますが)によって、電光広告の展望が妨げられたという事件ですが、ゆふきやとしては建築法規上要求されることはすべて遵守しており、また電光ニュースなどの展望を妨げないように細心の注意をしたものであることを認め、この工事が社会通念上許容された範囲を逸脱した違法なものでないとして、損害賠償の請求を認めませんでした。その逆ならば、すなわち、社会通念から見て許容されないような場合は損害賠償の請求は認めるということです。
いままでのべたところから、同題は、社会通念から見て許されだ範囲をこえたものであるかどうかということです。それは前述した具休的な内容となってあらわれてくるでしょう。あなたがそれを証明できれば損害賠償の漬求ができるでしょう。しかし、それもなかなかむずかしいこともおわかりになったと思います。

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隣りが境界ギリギリに家を建てている/ 境界ギリギリに家を建てられる場合/ ビル工事と工事前の事故予防対策/ 建築工事のため隣地に立入ることができる/ 地下掘削工事により家が傾いたとき/ 建築物用地下水の汲み上げにより家が壊れたとき/ 工事の繰り返しで地盤沈下し家が壊れた/ 工事人の過失で家が壊れた/ 通行中に工事の落下物でケガをしたとき/ 他人の土地を通さなければ水道ガス管を引けないとき/ 隣りまできている水道ガス管から分けてもらうには/ 工場の地下水の汲上げで井戸が涸れた/ 道路工事で私道の水道ガス管が壊されたとき/ 地下鉄工事で水道管が破裂したとき/ 個人専用の電柱から電気をひくには/ 高圧線が通っている土地を買ってしまったら/ 隣りが盛土したために雨水が流れ込み水たまりになった/ 雨水が隣りから直接注ぎ込む場合/ 他人の土地を通さなければ下水を流せないとき/ 隣地を通っている排水管の修理/ 共同の排水溝の管理費用の分担/ 住宅地の下水が田に流れこんでくる/ 浄化槽が台所の近くに造られたとき/ 共同の浄化槽の管理費用の分担/ 便所の汲取のための隣地の使用/ 違反建築でない建物による日照妨害/ 日照妨害により生計のための鳥が死亡/ 建築協定付の土地を買うと/ 崖崩れで近所の家を壊したとき/ 隣りの失火により家が焼けたとき/ 借家人の失火により家を焼いたとき/ 工事現場の溶接の火花で家が焼けたとき/ 住宅密集地でプロパンガスが爆発したとき/ 危険物運搬車の事故で家が焼けたとき/ 隣りが火事のときに投げ込まれた荷物/ アパートの隣室の音がうるさいとき/ アパートの隣人の失火で家財道具が焼けたとき/ アパートの階上の人の過失で水漏れしたとき/ 分譲マンションの管理費が不当に高いとき/ 分譲マンションの管理会社の変更/ 分譲マンションの屋上は共有/ ペット禁止の特約のあるアパート/ 団地の水洗トイレの管理/ 団地の火事の消火の水で水浸しになったとき/ 分譲マンションの専用部分の修繕/ 近所の商店で共同ビルをつくるには/ 再開発組合の決定に反対できるか/ 共同ビルの立て替えは反対者が一人でもいればできない/ 商業地域における日照妨害/ ビル工事の騒音振動による売上減少/ 隣りの工場の騒音振動で営業ができないとき/ 附近一体の地盤沈下で営業できないとき/ 電光版がビルに遮られて売上損害をうけたら/ 眺望を遮られて商売上の損害を受けたら/

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