軒の高さと建築物の高さ

 軒の高さとは、地盤面から建築物の小屋組、またはこれに代わる横架材(はり・がりょう・けたなど)を支持する壁の上端、敷げた、または柱の上端までの垂直距離をいいます。
 とくに、鉄筋コンクリート造の軒高のとり方は、むずかしい、これも用語の定義を役人がありのまま解釈したものの、実状と合わず、異論が出て三種類のものが混在したらしい。
 なぜ軒の高さが問題になるかというと、高さ13mをこえる建築物、または軒の高さ9mをこえる建築物は、主要構造部(壁・ 柱・床・はり・屋根・階段)を木造にできないからです。

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 よく、木造3階建共同住宅をみかけますが、これは「軒の高さ9mをこえるから違反している」のではなく「共同住宅という特殊建築物(個人住宅とは異なり、大勢の人が条まっている、火災の危険が大きい、公共性をもっていることより特殊建築物となり防火上厳しい制限が適用される)は、3階建となると、耐火建築物(鉄筋コンクリート造のように、主要構造物が火災に対して長時間耐え、火災後修理によって再び使用できる構造の建築物)にしなければならない」規定に違反しているからです。
 こういう類の共同住宅は、たとえ木造3階建として仏構造・内部仕上げ・設備が劣悪で、軒の高さも8mそこそこしかありません。
 それより軒高が問題になり出しだのは、日影規制により都道府県の条例によって日影規制区域に指定された第一種住居専用地域(低層住宅を建てる地域で,住居系の用途地域のうちで環境が最もすぐれている)では、軒高7mをこえる建築物が、日影時間の制限を受けることになったからです。
 いっぽう建築物の高さは、原則的には地盤面からの建築物の最高部上端までの垂直距離をいいます。
 しかし、建築物の高さの制限の内容により、次の規定にしたがわなければなりません。
 屋上部分に設けられた階段室・昇降機塔・機械室・水槽・装飾塔などで、それらの水平投影面積の合計が、その建築物の建築面積の1/8以内のときは,それらの部分の高さ12mまでは、高さに算入しない。
 もし、れらの部分の高さが12mをこえると、その規定は適用されなくなります。
 むね飾り、防火壁、煙突、避雷針、鬼瓦、飾り瓦などの屋上突出部は、高さに入れない。したがって、瓦屋根の場合の最高高さは、地盤面から棟にのっかった丸瓦(がんぶり瓦という)上端までの垂直距離をとります。
 パラペット(鉄筋コンクリート道などにおける屋上周辺部の立ち上がり壁)は、下の外壁と一体となっている場合は高さに入れます。鋼製のたて格子や金網などで目すかしになった部分は高さに入れません。
 地盤面が傾斜している場合は、その平均高さによります。地盤面の傾斜の高低差が3mをこえる場合は、高低差3m以内ごとにその平均高さをとる。だから、高低差3mをこえる地盤面のある 建築物は、建築物の高さが一つではなく複数になります。
 道路斜線制限(敷地に接する道路幅によって斜めに引き上げた直線より上に、道路に面する建物を突出させない)のときに限り、建物の高さを測定する基準は、敷地に接する前面道路の中心線とする。

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