防火地域と準防火地域

 古い日本の家は、極端ないい方をすれば木と紙と土からできています。
 1945年のアメリカの日本大空襲のときに、アメリカ側は日本を焼土と化すべく、焼夷弾による無差別攻撃を実行しました。日本のちゃちな家を対象とすれば当然の作戦でした。
 当時、政府はこの作戦の防止策として、日本家屋のうすっぺらい天井をはぎとる命令を出し、借家のわが家の竿ぶち天井までもめくりとらされました。
 戦後はり直したものの素人の手作業でまんだら状になり、その見にくさを隠すためその板の上からハトロン紙を貼りました。そのうすよごれた作品は、今でも現存しています。天井をめくれば焼夷弾が天井裏にとどまることがなく発見しやすいという発想ですが、何とも幼稚な考え方でした。
 それほど、日本の家は、外国のそれと比べると「火災に対して無防備である」ということです。都市の不燃化は、日本の悲願といえるでしょう。

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 このため、市街地の主要地域には、用途地域とはべつに防火地域、準防火地域、法22条区域(屋根不燃区域)を指定し、その地域に建てる建築物を耐火建築物や木造の防火建築物、または簡易耐火建築物(耐火建築物と木造防火建築物の中間に位置する建築物で、外壁耐火構造建築物、外壁ブロック造で屋根石綿スレートぶきなど、不燃構造建築物、柱はりが鉄骨で屋根鉄板ぶきなどの2種類がある)に限る。と制限しています。
 防火・準防火地域内にある建築物で、延焼のおそれのある部分の開口部は、防火戸(甲種:防火区画、防火壁の開口部、避難階段の屋内出入ロに使用する。乙種:外壁の延焼のおそれのある部分に使用する)を使用しなければならないから、網入りガラスの乙種防火戸とする。
 ただ、網入りガラス戸は防火上、防盗上は効果があるものの室内から外景を見るときは網が目に入り見にくい欠点があります。また値段も普通の透明ガラスに比べて数値は高い。網入りガラスに代わる防火ガラスの開発が望まれるところです。
 防火地域または準防火地域がかぶさってくると、建築物の外壁の仕上げを防火構造に変更しなければならず、それだけ建築費用がかさんできます。
 これらの地域以外に路線防火地域といって、主要な幹線道路や鉄道・軌道の両側の道路境界線より一定の幅をとった帯状の地域を防火地域に指定している街があります。これは都市計画法によって定めるもので、東京都では20m、大阪市では11mの幅をとっています。
 緊急時には市民が道路にあふれるので、住家の倒壊や火災の危険から市民を守る措置です。とくに都市の中心地区や副都心地区、あるいは主要幹線道路洽いに居住地をもっている人は、これらの地域が重なってくる可能性が強い。
 防火地域では木造建築物をいくら防火構造にしても、木造では建築することができないのです。
 これらの地域は、役所にいけば教えてくれるし、本屋で用途地域の地図と同封して「防火地域・準防火地域・法22条区域」の地図を市販しているから、それを見れば判別できます。

間取り
建築面積と床面積と延面積/ 軒の高さと建築物の高さ/ 道路斜線制限と高さの制限/ 日影規制/ 建物と民法/ 建築協定/ 防火地域と準防火地域/ 居室と延焼のおそれのある部分/ 不燃材料と準不燃材料と難燃材料/ 室内の日照と採光/ 室内の換気/ 室内の天井高さと床高/ 階段の制限/ 共同住宅の界壁と避難施設/ 確認申請/ 現場でのルールと設計の難しさ/ 違反建築物/ 増改築をめぐって/

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