共同住宅の界壁と避難施設

 共同住宅や長屋式住宅では、隣家からの話し声や物音が伝わってきて、お互いに不倫決な思いをすることが多い。隣家のピアノの音がうるさい。隣の犬の鳴き声がうるさいと、隣人を殺傷する事件が起きたのを記憶されている方も多いでしょう。
 建築騒音は空気を伝わってくるものは少なく、壁や床自身の構造体を通って伝わるものが主体であるから、完全に遮音的な室を造ることは至難の業です。

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 こと騒音に関しては日本の真壁は無力であることを体験しました。
 しかし、現在の長屋式木造住宅は、柱に散りじゃくりのない真壁でかつ天井裏の区切りをやめて、隣家との間仕切りをすることは許されません厚さ7cm以上で真壁の四周にすき間のない土塗真壁造は、遮音構造として認められます。
 共同住宅の界壁は、遮音と防火をかねて、遮音上有害な空げきのない構造とすると同時に、両面大壁構造の防火構造とし、小屋裏または天井裏まで造するようにしなければならなくなりました。
 遮音構造とするには、なるべく重量の重たい材料を使用するのがよい。
 木造の場合は、遮音・防火構造とするには、壁心を真壁にし、両面大壁造とするのがよいでしょう。その合壁厚は13cm以上としなければなりません。鉄筋コンクリート造の界壁は,厚さ10cm以上、コンクリートブロック造の界壁は、仕上げ厚さを含んで全厚10cm以上とします。
 さて、ここで共同住宅の避難上の制限を述べておかねばなりません。共同住宅は特殊建築物で、何といっても火災がこわい、ましてや木造の共同住宅は、その危険度がいちばん高い。
 そこで共同住宅の避難上もっとも不利な位置にある居室の奥からら、直通階段(ある階から直接地上へ出る出入ロのある階まで、一箇所で垂直方向にまとまった階段)に至る最大の歩行距離は、木造共同住宅の場合30m以下にしなくてはなりません。
 30mの根拠は、1.0m/秒(群衆の歩行速度)×30秒(火災の場合廊下を避難するとき煙を吸わないために、歩きながら息をとめうる時間)=30mと証明できます。
 それよりも、もっと大切なことは、木造共同住宅の特殊性より、その階の居室床面積の合計が100m2をこえる(主要構造部が不燃材料で造られた共同住宅は100m2が200m2にゆるめられる)と、2箇所以上の直通階段を設けなければならない。
 20〜25m2ぐらいの小住戸であれば、4〜5戸が連続すると、100m2はこえるから2箇所の直通階段が必要です。
 すなわち、共同住宅のどの部分から火災が発生しても、避難上容易に利用できる最小限2系統の直通階段を確保しておきます。こういう意味では、各戸が廊下でつながれた共同住宅は、廊下の両端部に直通階段を設けるのがよい。屋外に設ける避難階段は、安全性と耐久性の点から木造が禁止されています。

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