違反建築物

 かつての建築基準法はザル法ともいわれ、違反建築物が大手を振ってまかり通っていました。ちょうど、自動車の急増によって道路の整備が立ち遅れざるをえない現状と同じように、都市に住居が密集し出して宅地は極小化をたどり、土地が暴騰したため、生活上やむをえず違反せざるをえない状況だったといえます。
 これにより、建築基準法も庶民の生活実態や社会の変化に応じて手直しされてきたので、最近は大きな違反行為は少なくなっています。

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 これは、建築監視員制度ができて、役所の違反防止パトロールが徹底してきたためです。また世の中が落ちついて、住民に法的意識が目ざめてきたせいもあります。
 行政当局は、違反建築物を是正するため、予告の通知書、仮命令、本命令、緊急工事停止命令を出して、違反建築物の除却、改築、工事停止、使用禁止などの措置を講じています。
 しかし、そうはすんなりとモノゴトは運んではいきません。建築基準法以外のいろんな隘路も重なって、その解決を遅らせています。
 そこで、その辺の事情を知るべく、筆者は某自治体の建築監察課を訪れ、いろいろと役所側の話しをうかがいました。
 以下に箇条書きにして、その内容を要約してみましょう。
 違反建築物の取り締りには、頭を痛めている。前のように許可制の申請ならともかく、建築士の判断による確認申請では、あくまでも本人の意向を尊重し、間違っている所は行政指導で訂正してもらうよう努力している。
 無確認の住宅や非常に悪質な建物には、当方から電気・水道ガスの事業者に工事を差し控えるよう依頼している。そこから各工事業者に通知がいくので、市町村の指定業者であれば、間接的な役所の依頼とはいえ、聞いてくれる。
 また違反処置の命令書を出すまでに、建築主や設計者に電話連絡したり、法律には決められていない勧告書を郵送するようにしている。
 集団規定は重視し、道路関係(道路の有無、道路上の建築物の突出、道路幅による斜線制限など)の違反箇所は厳しく注意し訂正してもらっている。
 反面、単体規定は、それほどでもない、最近は、個人住宅であれば単体規定でも行政指導で直してくれるケースが多い。
 既に建築してしまった違反住宅に関しては、実現可能な範囲で、違反箇所を直すよう行政指導をくり返しくり返し行なっている。これには長い年月がいる。
 新聞紙上にのる違反建築物は、よほど悪質なものである。その場合は,行政側から警察に告発する。
 しかし告発したからといって、検察庁が必ずしも起訴するとは限らない。
 いわんや行政代執行による取り壊しとなると、すでに人が住んでいる場合は、入居者の移転先を見つけねばならず、かなり困難な仕事となる。代執行は「伝家の宝刀」ともいうべき最後のとりでで、そう簡単に行使できるものではない。長期間にわたって、違反建築物が存在するのは、この例である。人を動かすということは、行政の力では限界があります。
 行政処分にしたがわない場合は、最高20万円の罰金、または1年以下の懲役となっていますが、処罰をしたからといって、その違反建築物が地上から消え去るわけではありません。逆に、その辺を悪徳業者に利用されないように注意はしている。
 以上の要約でも分かるように、役所も相当に気を使いながら、ねばりのある行政指導をしておられることが分かりました。 

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